Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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心理学基礎文献研究 I 大江 朋子
必修  2単位
【心理】 12-1-1360-2703-05

1. 授業の内容(Course Description)
 日常生活において、人は膨大な量の対人情報を処理しながら、自分や他者を理解し意味づけている。わたしたちは自己や他者をどうとらえているか、他者の心がわかるとはどういうことか、他者との相互作用においてどのようなバイアスがはたらくか、感情は社会生活を営む上でどのような役割をもつかなど、普段はあまり意識することのできない個人内の現象に目を向け、人間理解を深めていく。
 心理学基礎文献研究Iでは、テキスト『個人のなかの社会』の前半部である社会的認知(神経基盤、自動性、社会的推論とバイアス、感情など)を題材とする。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 人が社会生活を送る上での基盤となる個人内過程(特に、社会的認知)についての専門的な知識を得るとともに、発表や討論を通して自分の考えを他者に伝える技術を磨いていく。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 最終成績は、発表と討論の内容(60%)ならびに出席状況(40%)から評価する。ただし、5回以上欠席した場合には単位を認定しない。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 浦光博・北村英哉(編)『個人のなかの社会(展望 現代の社会心理学1)』誠信書房
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 発表担当者は、パワーポイントで作成した資料を用いて、他の履修者が内容をよく理解できるように、また、他の履修者からの質問や意見に対応できるように、事前に十分な準備をしておく。他の履修者は事前に該当箇所を読み、討論の際には積極的に発言することが求められる。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 資料配布、課題提出、授業に関する連絡には、帝京大学のWebClassを利用する。WebClassにアクセスするには、情報処理センターが発行するアカウントとパスワードが必要である。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ガイダンス
  授業についての説明
  発表担当の割り当て
 (以下、テキストの該当箇所)
【第2回】・【第3回】
 社会心理学の将来
  社会心理学の問題意識
  人間理解のためになにをなすべきか
  社会を「内在化」する
  追求すべき現代の論点
  均衡の二重性
  ウェル=ビーイングを追求するということ
【第4回】・【第5回】
 社会的認知の神経基盤
  社会的知覚
  身体と共感性
  社会的価値評価
  遺伝子、脳、文化
【第6回】
 社会的認知の自動性
  プライミング効果
  自動性研究と日常体験の乖離
【第7回】・【第8回】
 対人認知の心理機制
  適応機制としての対人認知
  対人認知におけるバイアス
  対人認知の情報源
  マインド・リーディング
【第9回】
 社会的推論とバイアス
  ヒューリスティック
  ポジティブ・イリュージョン
  自己中心性バイアス
【第10回】・【第11回】
 動機、意図、特性の推論
  傾性推論研究の源流
  対応バイアス
  行為者-観察者バイアス
  特性-行動連合に関する知識と傾性推論
  「人か状況か」に対する批判
  「心を読む」存在としての社会的知覚者
【第12回】・【第13回】
 社会認知と感情
  気分一致判断効果
  感情情報機能説
  感情と情報処理方略
  課題の遂行/停止としての感情シグナル
  自動的な評価の形成と測定
  目標と自動的評価
【第14回】・【第15回】
 態度
  意図的行動と自動的行動
  態度とアクセシビリティ
  MODEモデル
  評価プライミング
  IAT(潜在連合テスト)
  サイモン課題
  潜在測定と顕在測定
  潜在測定と理論的基盤