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授業の内容(Course Description) |
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日常生活において、人は膨大な量の対人情報を処理しながら、自分や他者を理解し意味づけている。わたしたちは自己や他者をどうとらえているか、他者の心がわかるとはどういうことか、他者との相互作用においてどのようなバイアスがはたらくか、感情は社会生活を営む上でどのような役割をもつかなど、普段はあまり意識することのできない個人内の現象に目を向け、人間理解を深めていく。 心理学基礎文献研究Iでは、テキスト『個人のなかの社会』の前半部である社会的認知(神経基盤、自動性、社会的推論とバイアス、感情など)を題材とする。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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人が社会生活を送る上での基盤となる個人内過程(特に、社会的認知)についての専門的な知識を得るとともに、発表や討論を通して自分の考えを他者に伝える技術を磨いていく。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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最終成績は、発表と討論の内容(60%)ならびに出席状況(40%)から評価する。ただし、5回以上欠席した場合には単位を認定しない。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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浦光博・北村英哉(編)『個人のなかの社会(展望 現代の社会心理学1)』誠信書房
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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発表担当者は、パワーポイントで作成した資料を用いて、他の履修者が内容をよく理解できるように、また、他の履修者からの質問や意見に対応できるように、事前に十分な準備をしておく。他の履修者は事前に該当箇所を読み、討論の際には積極的に発言することが求められる。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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資料配布、課題提出、授業に関する連絡には、帝京大学のWebClassを利用する。WebClassにアクセスするには、情報処理センターが発行するアカウントとパスワードが必要である。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス 授業についての説明 発表担当の割り当て (以下、テキストの該当箇所) 【第2回】・【第3回】 社会心理学の将来 社会心理学の問題意識 人間理解のためになにをなすべきか 社会を「内在化」する 追求すべき現代の論点 均衡の二重性 ウェル=ビーイングを追求するということ 【第4回】・【第5回】 社会的認知の神経基盤 社会的知覚 身体と共感性 社会的価値評価 遺伝子、脳、文化 【第6回】 社会的認知の自動性 プライミング効果 自動性研究と日常体験の乖離 【第7回】・【第8回】 対人認知の心理機制 適応機制としての対人認知 対人認知におけるバイアス 対人認知の情報源 マインド・リーディング 【第9回】 社会的推論とバイアス ヒューリスティック ポジティブ・イリュージョン 自己中心性バイアス 【第10回】・【第11回】 動機、意図、特性の推論 傾性推論研究の源流 対応バイアス 行為者-観察者バイアス 特性-行動連合に関する知識と傾性推論 「人か状況か」に対する批判 「心を読む」存在としての社会的知覚者 【第12回】・【第13回】 社会認知と感情 気分一致判断効果 感情情報機能説 感情と情報処理方略 課題の遂行/停止としての感情シグナル 自動的な評価の形成と測定 目標と自動的評価 【第14回】・【第15回】 態度 意図的行動と自動的行動 態度とアクセシビリティ MODEモデル 評価プライミング IAT(潜在連合テスト) サイモン課題 潜在測定と顕在測定 潜在測定と理論的基盤
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