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授業の内容(Course Description) |
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ゲルマン人が入る以前のブリテン島の歴史から始まり、5世紀に彼らがブリテン島に入り、その言語が古英語になり現在の英語になるまでのおよそ1600年の英語の歴史を辿る講義である。 現代の英語の様々な現象の原点が実は(そして当然のことであるが)古英語や中英語にある、という歴史的な視点から各時代の英語を見ていくと関心が持てると思う。例えば、所有を表す 'sのアポストロフィは何を省略しているのか、複数形の s に省略はないのか、最初からSVOという語順だったのか等についてその歴史的背景を説明する。また、各時代の英語の特徴についても、作品の一部を読んだりすることで触れたい。 マルチメディア教室を使用する予定なので、教員が撮影した写真を含め、さまざまな映像資料を提示する予定である。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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英語史の流れを知り、その知識を深め、柔軟な英語観を形成することを目標とする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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評価は、出席点・授業に取組む姿勢(40%)、課題提出(20%)、期末試験(40%)を考慮して評価する。詳細については初回の授業時に話す予定。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:未定(初回の授業時に指示する。)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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・予習として、テキストを前もって読み、疑問点をメモし、授業に臨むこと。 ・WebCTあるいはLMSを使用する予定なので、そのページから情報を得て、学習すること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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英語史に関しては、様々な本が出版されていますので、読んで基礎知識を得てください。例えば、寺澤盾著『英語の歴史―過去から未来への物語』(中公新書)などはお薦めです。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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以下はシラバス作成時点での予定です。変更になる場合もあります。 【第1回】 講義ガイダンス:英語の故郷を訪ねて(ドイツのアンゲルン地方の話をします) 【第2回】 英語と印欧語族(印欧語族の中で英語の占める位置、他の言語との関係について) 【第3回】 Britain島の民族①:イベリア人、ケルト人(彼らはどんな人たちで、どんな影響を与えたのでしょうか) 【第4回】 Britain島の民族②:ローマ人、ゲルマン人(イギリスもローマに支配されました。そしてゲルマン民族の大移動。その最後に彼らがブリテン島に入ってきます) 【第5回】 古英語の文法(基礎のみ)① (1000年前の英語に触れてみましょう) 【第6回】 古英語の文法(基礎のみ)② (現代英語の謎が解けるかもしれません) 【第7回】 古英語(主の祈り)を読む (Our father ... が Father our ... のように書いてあります) 【第8回】 VikingsとNorman人の征服 (彼らが英語に与えた影響について) 【第9回】 中英語の文法とChaucer (チョーサーやキャクストン(印刷術)について) 【第10回】 Great Vowel Shift について (大母音推移とはどんな現象であったのか。現代英語の発音に与えた影響について) 【第11回】 イギリスのルネッサンスと宗教改革が英語に与えた影響 (2つのRがなぜイギリスでは同時に起こったのか。英語に与えた影響について) 【第12回】 近代英語(Shakespeare等)、欽定訳聖書 (シェークスピアや聖書が英語に与えた影響) 【第13回】 辞書、英文法書、母国語への関心の高まり (ジョンソン博士など民間人が英語の統制に係る) 【第14回】 語源に関する講義 (語源の調べ方。いくつかの語源を実際に調べる) 【第15回】 まとめと試験
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