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授業の内容(Course Description) |
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グローバル化が経済や政治の統合を促すばかりでなく、言語や習俗といった閉じられた領域に根差す諸文化のあいだに、新たな結合や融合の運動を引き起こすことは言をまたない。この運動がマスメディアの飛躍的な発達によってダイナミズムを増していることは周知の事実であるが、運動の本質がたとえばヘレニズム時代と根本的に異なっているわけではない。本講義では、古代から18世紀までのヨーロッパ世界がヘブライイズムや古代ギリシア、さらにはアジアや日本を、芸術思想の面においてどのように理解し、吸収したかを、具体例をあげて考察する。キーワードは日本語と英語で併記する。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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異文化間の芸術受容のあり方を検証し、芸術の超域性について理解を深める。キーワードを英語で表現することに親しみ、英語を通して芸術について語り理解する能力を涵養する。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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平常点。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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開講時に説明します。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業内容をノートに整理し、次の授業に備える。授業で挙げる参考文献等を調べる。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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ノートを丹念にとること。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス。芸術における超域性について概説する。 【第2回】 芸術の理解行為における感性の役割について。 【第3回】 芸術の理解行為における言語の役割について。 【第4回】 古代ギリシアの芸術論について。 【第5回】 古代アジアの芸術論について。 【第6回】 ヨーロッパ世界における古代ギリシアの芸術論の受容について概説する。 【第7回】 有田焼のヨーロッパ輸出とヨーロッパ磁器の誕生。審美感覚の伝播について。 【第8回】 アウグスト王と秀吉。舶来品と為政者の美的感性について。 【第9回】 ケンドラーと日本宮殿。ロココのジャポニズムについて。 【第10回】 ヴィンケルマンの「古代芸術模倣論」をめぐって。規範と模倣の関係について。 【第11回】 キリスト教世界における異教芸術の取り扱いについて。 【第12回】 レッシングの「ラオコーン」をめぐって。美術と文学の境界について。 【第13回】 蘭学としての蘭画。司馬江漢と小田野直武をめぐって。 【第14回】 歌舞伎とオペラ。東西の総合芸術について。 【第15回】 まとめとテスト。
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