Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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超域社会論 I 大野 雅子
選択  2単位
【外国語】 12-1-1410-0109-09

1. 授業の内容(Course Description)
 米を主食とする東アジア圏ではハンバーガーは<食事>ではなく<おやつ>である。美食文化が根付いているイタリアやフランスでマクドナルドが出店するのは困難を極めた。今や日本の風景の一部となったスターバックスやタリーズ。昭和の喫茶店は特別に<芸術的>な場所だった。日本名物<モーニングセット>は名古屋が発祥地。寿司はアメリカ人にとってはエリートの食べ物。<お弁当>とは日本の<主婦像>を構築するイデオロギー装置である。<弁当男子>現象は日本社会のどのような行き先を示唆するのか。このように、この授業においては<食>という観点から日本文化と世界の文化について比較し、日本人にとっての<食>とは何かを考察する。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 <食>というごく日常的な事柄を<異化>する視点を養うこと。当たり前だと思っていることが実は日本的であることに気がつくこと。(例えば<モーニングセット>と英語で言っても通じない)。日本文化を歴史的な観点から考察すること。(例えば喫茶店に対する考え方が大正、昭和、平成においてどのように異なるのか)。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席20%、レポート20%、小テスト20%、期末テスト40%
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストはプリントとして配布。
  ジェームズ・ワトソン『マクドナルドはグローバルか―東アジアのファーストフード』新曜社、2004年。
  高井尚之『日本カフェ興亡記』日本経済新聞出版社、2009年。
  サーシャ・アイゼンバーグ『スシエコノミー』日本経済新聞出版社、2008年。
  大貫恵美子『コメの人類学―日本人の自己認識』岩波書店、1995年。
  松田公太『すべては一杯のコーヒーから』新潮文庫、2005年。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 上記の参考文献を読むこと。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 何かを暗記したり覚えようとしたりするのではなく、授業を通じて自分自身の考えを形成し、授業や参考文献をもとにして自分自身の文章で論述ができるようになることを目標にすること。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 Introduction
【第2回】
 東アジアのマクドナルド
【第3回】
 東京におけるマクドナルドとその他のハンバーガーショップ
【第4回】
 ヨーロッパにおけるマクドナルドとslow food movement
【第5回】
 日本人、米、ナショナリズム
【第6回】
 アメリカに渡った寿司
【第7回】
 寿司のグローバル化
【第8回】
 明治・大正の喫茶店と銀ブラ
【第9回】
 昭和の喫茶店‐ジャズ喫茶など
【第10回】
 レトロな喫茶店、名古屋の喫茶店
【第11回】
 ドトールの戦略
【第12回】
 シアトル系カフェ
【第13回】
 お弁当と日本人
【第14回】
 現代日本の弁当男子
【第15回】
 まとめ