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授業の内容(Course Description) |
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伊丹十三監督の『タンポポ』は、売れないラーメン屋の女店主が自分の店を繁盛店に仕立てあげてゆく物語である。この主筋は、それとは一見関係のない様々な<食>をモチーフにする脇筋によって彩られる。大小の物語がオーケストラのような効果を生み出しながら我々に訴えかけるのは、日本人にとって<食>が<母の味>であるということ、<食>という動物的で本能的な事柄が実は切実な人生の問題であるということである。『タンポポ』やその他、下記に挙げた日本映画・小説・漫画・アニメの代表作において<食>がストーリーの中でどのような役割を果たしているのかを探求するのがこの授業である。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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<食>というごく日常的な事柄を<異化>する視点を養うこと。当たり前だと思っていることが実は日本的であることに気がつくこと。(たとえばラーメンは日本においては<武士道>である)。日本文化を歴史的な観点から考察すること。(例えばちゃぶ台はいつ出現し、いつ消滅したか)。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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出席20%、レポート20%、小テスト20%、期末テスト40%
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストはプリントとして配布。 参考文献は下記の授業の計画に挙げた映画のDVD。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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下記の授業の計画に挙げた映画を見ること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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何かを暗記したり覚えようとしたりするのではなく、授業を通じて自分自身の考えを形成し、授業や参考文献をもとにして自分自身の文章で論述ができるようになることを目標にすること。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 Introduction 【第2回】 『Always三丁目の夕日』におけるコロッケ 【第3回】 『Always続三丁目の夕日』における冷蔵庫 【第4回】 『タンポポ』におけるラーメン 【第5回】 『ラーメンガール』におけるラーメン 【第6回】 『なくもんか』におけるハムカツ 【第7回】 『Udon』における讃岐うどん 【第8回】 『巨人の星』におけるちゃぶ台(1) 【第9回】 『巨人の星』におけるちゃぶ台(2) 【第10回】 『パーマン』におけるラーメン(1) 【第11回】 『パーマン』におけるラーメン(2) 【第12回】 『美味しんぼ』におけるグルメな食材 【第13回】 『味いちもんめ』における日本料理店 【第14回】 『痴人の愛』における大正カフェー 【第15回】 まとめ
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