Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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English Heritage I 郷 健治
必修  2単位
【外国語】 12-1-1410-0204-01

1. 授業の内容(Course Description)
 English Heritageとは、「英語の遺産」であり、また、「英国・イングランドの遺産」でもあります。21世紀の現代社会において、英語は文字通りグローバルな言語としてGlobishとも呼ばれ、ますますその重要性を増していますが、我々はアジアの端の(イギリスからはもっとも遠い)日本という島国で暮らしながら、じつは、英語のみならず、日々さまざまな English Heritage の恩恵に浴して暮らしています。ラグビー(やゴルフやサッカーや野球や競馬やカーレース)などのスポーツも議会制民主主義も蒸気機関も鉄道も産業革命も郵便も保険制度もハネムーンもニュートン力学もダーウィンの進化論もアメリカ合衆国もウィスキーもジェームズ・ボンドもビートルズもピーター・ラビットもハリー・ポッターも、なにもかもすべてイギリスが世界中に輸出したEnglish Heritageなのです。
 こうしたさまざまなEnglish Heritageの中でも燦然と輝くイギリスの文化遺産がウィリアム・シェイクスピアの遺した名作の数々です。そうです、『ハムレット』『夏の夜の夢』『マクベス』『リア王』『ヴェニスの商人』などの生みの親、あのイギリスの天才的な劇作家Shakespeare(1564-1616)です。400年も昔のシェイクスピアの英語はもうModern Englishであり、現代の英米社会でも日々引用され、生きています。
 みなさん、シェイクスピアを知らずに英語を知ると云うなかれ。シェイクスピアを知らずしてイギリスを知ると云うなかれ。
 この授業では、シェイクピアの不滅の名作『ロミオとジュリエット』を400年後の現代社会に舞台を移した1996年の大ヒットアメリカ映画(レオナルド・ディカプリオ主演)とその英語シナリオ原文と原作の日本語訳を1年間かけてゆっくりと精読しながら、この作品の時代背景、内容を深く考察することによって、English Heritageの本質、英語と英国文化の本質を考えていきます。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 春学期は、現代アメリカ映画『ロミオとジュリエット』をまず通して鑑賞し、そのあと、原作の日本語訳を参照しながら映画の前半を考察します。この映画の英語のシナリオの対訳本を使用して、映画のシナリオ原文の英語を精読してその内容と背景を考察し、この不朽の名作を通じて現代世界のさまざまなEnglish Heritageを学んでいきます。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末テスト(記述式。持ち込み不可)。たとえ毎回授業に出席していてもテストができなければ単位は取れませんので注意してください。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 シェイクスピア『ロミオとジュリエット』
 1996年アメリカ映画『ロミオとジュリエット』(レオナルド・ディカプリオ、クレア・デーンズ主演)DVD。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 毎回『ロミオとジュリエット』の日本語訳と映画のシナリオの原文の英文(易しくないです)を精読して、その内容を自分なりに理解し、考えてきてください。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 毎回授業に出ていないと単位を取ることは難しい、というテストです。
 授業中の飲食、私語、携帯の使用、遅刻入室は厳禁です。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ガイダンス・イギリスについて
【第2回】
 シェイクスピアとその劇作品について
【第3回】
 シェイクスピアの時代ついて
【第4回】~【第15回】
 『ロミオとジュリエット』前半を毎回少しずつ精読していきます。