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授業の内容(Course Description) |
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シェイクスピア(1564~1616年)の悲劇『マクベス』を鑑賞します。 イギリスが生みだした、人類全体への素晴らしい贈り物には、たとえば、「<ビートルズ>の音楽」「ニュートンやファラデーの物理学や数学」が挙げられます。文学の面で言いますと、それは、「シェイクスピアの劇と詩」ということになります。これらはいまだに、無限の光と熱を放ちつづけています。 授業の始めに、シェイクスピアがどのような時代に生きていたのか、その時代背景の話しを大まかにしましょう。 (その一端をお話ししますと、当時、「劇場経営」は1つの全く新しい「ビジネス・モデル」であり、ストラドフォードから上京したシェイクスピアは、それに果敢に飛び込んで行きました。当時は、政治・経済・宗教・科学・哲学など、あらゆる面で革新的な事態が発生し「混沌(カオス)」のきわまった時代でしたが、シェイクスピアはむしろそれを喜びとともに前向きに捉えました。そして、仲間と協力し支え合い、そのどれもが永遠の光を放つ「劇作品」を20年間の間に、劇団員と当時の人々のため、37編ほど書き上げました。) 次に、悲劇『マクベス』を、重要な場面に焦点を当て、順番にゆっくりと音読していきます。 劇の内容に関していえば、『マクベス』は、女の生きる「悲しみ」、男の生きる「悲しみ」、正義を貫くことの「悲しみ」、「人間として生きる悲しみ」等を描いた作品です。宮沢賢治の「よだかの星」に似た物語です。ヨーロッパ文学における「悲劇」の意味を実感し、実学的に考えていきましょう。 日本人は、気質的に、「メランコリー」の人が多いといわれています。物事を深く受け止めるという気質です。同時に、「悲しみ」の感情から人生を深めていく気質でもあります。『マクベス』をゆっくり読みながら、マクベスの悲しみ、マクベス夫人の悲しみ、マクダフの悲しみ、に共感し、読者および観客としてのあなた自身の悲しみを強め、そして自分を強くしていく話しをします。 同時にこの作品では、「善」と「悪」の問題が色濃く出てきます。「悪から、悪の中からこそ、全く新たに誕生する善」のテーマを、もう1つの中心軸として話しを進めます。なぜ、この世に悪があるのでしょうか?なぜ、悪は魅力に満ちているのでしょうか?なぜ、青年は悪を通過しなければならないのでしょうか?実学的に考えていきます。 自分を超えて創造することの素晴らしさと、『マクベス』という芸術作品の一つ一つの宝石のような言葉が、どれほど光り輝き、人間を勇気づけ最終的に本当の希望を与えうるのか、皆さんにお伝えしようと考えています。 どうぞ、肩の力を抜いて、けれども私語は慎み、聴きにきてください。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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1.シェイクスピアから解き放たれる光と熱を感じること。 2.自分自身の悲しみの感情を深め、清めること。 3.「私こそ<悪人>マクベスだ」と言えるようになること。 4.生きる希望を発見すること。 5.努力した受講者全員が、合格点を取ること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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最後の授業に行う期末小テスト
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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教科書:シェイクスピア『マクベス』(小田島雄志訳、白水Uブックス) 参考書:1)バフチーン『フランソワラブレーの作品と中世ルネッサンスの民衆文化』(せりか書房) 2)グレーヴィチ『中世文化のカテゴリー』(岩波書店) 3)阿部謹也『ヨーロッパを見る視角』(岩波書店) 4)ブルーノ『英雄的狂気』(東信堂)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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1.『マクベス』を1回は通読すること。 2.毎回少しずつ読みますので、当日の講義の部分は、授業前に読んでおくこと。 3.翻訳で通読した後、黒沢明の『蜘蛛の巣城』を、DVDで見てみること。(これは、メリックに所蔵されています。) 4.参考書の4つの本の中から1つを選び、1つの章だけでもよいので読んでおくように。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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1.授業中の私語を控え、授業に集中してください。(これが最も大切です) 2.遅刻はしないで、早めに着席すること。(これも同じくらい大切です) 3.私が話しをしているときは、その前は横切らずほかの所を通ってください。(「赤い糸」が途切れてしまうから) 4.第1回目の授業が最も大切ですから、第1回目の授業には必ず出席してください。 5.授業には続けて出ること(テストのときだけ来るのはいけません)。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション 【第2回】 シェイクスピアの生きた時代 【第3回】 『マクベス』1幕1場~2場から数か所の、音読と解説 【第4回】 『マクベス』1幕3場~4場から数か所の、音読と解説 【第5回】 『マクベス』1幕5場~7場から数か所の、音読と解説 【第6回】 振り返りの中間テスト 【第7回】 『マクベス』2幕1場~2場から数か所の、音読と解説 【第8回】 『マクベス』2幕3場~4場から数か所の、音読と解説 【第9回】 『マクベス』3幕1場~2場から数か所の、音読と解説 【第10回】 『マクベス』3幕3場~6場から数か所の、音読と解説 【第11回】 『マクベス』4幕1場~2場から数か所の、音読と解説 【第12回】 『マクベス』4幕3場から数か所の、音読と解説 【第13回】 『マクベス』5幕1場~3場から数か所の、音読と解説 【第14回】 『マクベス』5幕4場~9場から数か所の、音読と解説 【第15回】 まとめと期末小テスト
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