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授業の内容(Course Description) |
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4月は、前年度の『比較文学論』Ⅱの続き~ギリシャ神話~を扱う。5月からは旧約聖書をテキストにしたヘブライ(ユダヤ人)の神話を扱う。旧約聖書は、ユダヤ教、キリスト教、イスラーム教の共通の聖典であるため、極めて重要な文献である。これを判り易く解説しながら、ヘブライ神話を解説する。この授業ではどこかの本にすでに書かれているような紋切り型の内容は扱わない。極めてオリジナルな授業であり、テキストも私自身の翻訳を用いる。このため、教科書は存在しないし、試験前にインターネットで調べても無駄である。そのような浅薄な知識は扱わない。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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本授業を通じて、イタリア(引いては西洋)の文化の背景の一つであるユダヤ・キリスト教とはどのようなものかという本源的な認識を得ることができるようになる。この授業を受講することで、現代の世界の諸問題~例えば、ナチスのユダヤ人迫害の問題、パレスチナ問題、イスラーム原理主義、アメリカの宗教右派など~に通じる基本的・本質的な知識を得ることができる。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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期末試験と出席による。出席が3分の2に満たない者は受験資格がないことを忘れないように。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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すべてこちらでテキストを作成し、配布する。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業の予習は一切必要がない。その代わり、本授業では復習がすべてとなる。授業で説明した内容を自宅で自分なりにまとめて、ノートを作成しておくこと。教科書はなく、インターネットや他の書籍でこの授業の内容を補うことはできない。私の言葉しかないので、復習がすべてである。授業中に聞きとって、自宅で作成した各自のノートが唯一の教科書になる。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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教科書も、他の解説書もない本授業では、毎回、オリジナルで高度な内容を扱うため、授業に毎回出席していないと理解できない。なお、授業中の私語は厳禁であり、口よりも手を動かすことを覚えること。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 男性中心の恋と冒険の物語(男女の性差による恋愛の齟齬) 【第2回】 男性中心の恋と冒険の物語(男女の性差による恋愛の齟齬) 【第3回】 同上。扱う英雄はオデュッセウス、アエネーアース、ヘーラクレース、テーセウス、イアーソーン(+メーデイア) 【第4回】 ダンテ『神曲』のイアーソーンと道元『典座教訓』とアッシジのフランチェスコ『小さき花』を参考にして、イアーソーンの物語の意味を読み解く。 【第5回】 同上 【第6回】 ヘブライ神話(旧約聖書)のイントロダクション 【第7回】 『創世記』の天地創造の解析 【第8回】 『創世記』の天地創造の解析(楽園追放) 【第9回】 『創世記』の天地創造の解析(アベルとカイン) 【第10回】 『創世記』の天地創造の解析(バベルの塔) 【第11回】 『創世記』の洪水神話と古代オリエント文学 【第12回】 『創世記』の洪水神話と古代オリエント文学 【第13回】 『創世記』神との契約 【第14回】 前期試験 【第15回】 前期試験の返却と前期の復習
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