1. |
授業の内容(Course Description) |
|
ほんの7年半しか活動せず40年も前に解散した the Beatles を二十一世紀のリスナーはなぜに聞き続けているのか。彼らの音楽はそれほどまでに特別なのだろうか。この授業では、彼らの存在を要石として、古来からあった大衆音楽が20世紀なかばでポップ・ミュージックへと様変わりし、1960年代後半以降ロックがポップ・ミュージックの支配的スタイルとなるまでの音楽の流れを辿る。その中で、ポップ・ミュージックとそれ以前の大衆音楽や芸術音楽との差異について考えることになる。また同時に、このような変化の背景にある、大西洋を挟んで展開した近代世界の拡大の過程とその問題点について考えていく。音楽を純粋に音楽として捉えるのではなく、その音楽を生み出した社会の様相を色濃く反映するものとして捉えていきたい。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
1.The Beatlesの音楽に触れる。 2.ポップ・ミュージックという社会制度の歴史を理解する。 3.近代という時代とその時代が生み出した音楽の関わりを理解する。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
毎回の小リポート20%、学期末試験80%の割合で評価する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
とりあえず、次の三冊は読んでおいてもらいたい。 佐藤良明(2006)『ビートルズとは何だったのか』みすず書房 なかにし礼(2011)『歌謡曲から「昭和」を読む』NHK出版新書 バーダマン、ジェームス・Mほか(2006)『ロックを生んだアメリカ南部──ルーツ・ミュージックの文化的背景』NHKブックス これ以外の参考資料は開講時にリストを配布する。
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
毎回の授業で、次回のテーマを提示する。聞いておく必要があるミュージシャンや読んでおくべき本を指示するので、しっかり準備をして授業に臨んでもらいたい。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
音楽を聴いたり映画を見たりと一見楽しそうだが、内容は結構難しい。真剣に聞いて、ノートの取り方も工夫していく必要がある。一度にすべてを理解するのは難しいかもしれないが、じっくり続けていけば音楽の聞こえ方・世界の見え方が変わってくるはずだ。 遅刻と授業中の私語や携帯の使用は厳禁とする。一生懸命聞いている人の邪魔になると判断した場合には即刻退室してもらう。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 イントロダクション:ロックとは何だったのか 【第2回】 ポップ・ミュージックと近代世界:近代と非近代 【第3回】 JazzとBlues:都会と田舎/南から北へ 【第4回】 Folk と Country:懐かしい故郷はどこに? 【第5回】 Rock 'n' Rollの誕生:隣り合わせの黒人と白人 【第6回】 ギターを手にする若者たち:Rock 'n' Rollイギリスに渡る 【第7回】 The Beatles登場:いびつなRock 'n' Rollは過去と未来をつなぐ 【第8回】 The Beatles vs The Rolling Stones vs Bob Dylan 【第9回】 The British Invasionのインパクト 【第10回】 教育と労働:ポップ・ミュージックの創造と享受 【第11回】 1966:Rock 'n' RollからRockへ 【第12回】 テクノロジーと音楽 【第13回】 近代を超えて:非西洋近代に目を向ける 【第14回】 The Beatlesはポップ・ミュージックを変えたのか?:21世紀のthe Beatles 【第15回】 まとめ+学期末テスト
|