Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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聴覚障害教育概論 中川 泰朗
選択  1単位
【教育】 12-1-1501-0390-05

1. 授業の内容(Course Description)
 基礎的事項として聴覚障害児教育の定義や発見、聴覚補償、コミュニケーションの方法を概観する。
 聴覚障害幼児の就学前教育相談や早期発見早期教育の意味、幼稚部教育を学ぶ。
 言語の指導過程と考え方(音声言語と手指言語)を学ぶ。
 義務教育段階では授業の進め方と留意点、学力と言語力、教科指導の課題を学ぶ。難聴学級についても紹介する。
 小学部、中学部、高等部教育を通して、自立活動のあり方、道徳・特別活動の基本、生活指導の工夫を学ぶ。
 発達的課題を持つ子どもたちや重複して障害を持つ子どもたちの現実と教育にも触れる。
 総合的な学習の時間の考え方に合わせて交流教育や統合教育、今後の特別支援教育を知る。
 高等部及びそれ以降では職業教育の現状や雇用、就労の実態とともに大学進学の状況と高等部教育の今日的課題を知る。
 我が国の聴覚障害児教育の歴史も紹介する。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 幅広く聴覚障害児教育の現状と課題点、考え方を知り、聞こえないとはどのような障害かを教職に就くものの立場から理解する。
 聴力の程度や発達など、個々の障害に応じた教育の実態と現実を知り、聴覚活用、発音発語、読話、手話などの意味と考え方とともにそれぞれの指導技術の基礎を習得する。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 レポート(30%)、出席数(20%)、聴覚障害理解(40%)、手話技能(5%)、言語指導技能(5%)
10回に満たない出席には単位を認定しない。
 教職課程であることから、遅刻も査定要素に加える。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト…毎回プリント配布、参考文献…授業開始時に指示
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 指文字五十音全音、数表現、挨拶や自己紹介の手話、簡単な日常会話の手話などの予習と復習。
聞こえないこととはどのようなことか、聞こえないことによる生活や学習上の困難点などの文献調査。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 聴覚障害は外見上からはその障害の有無が判然としない障害である。また社会からは聴覚に障害があるとはどのようなことかについて適切に認識されていない場合もある。この授業では聞こえないことがもたらすいろいろな二次的三次的障害と、社会生活上の困難点、教育方法などについて学ぶことになる。講座の設置目的からしても成人聴覚障害者についてはそれほど触れない。ドラマなどから受ける先入観を抜き去り実際の子どもたちの姿について公正な目で見つめてほしい。
 講義は担当者の教育現場での体験が数多く含まれる。教育現場即戦力となるためのノウハウも紹介する。授業や小論文では、教壇に立ったときの自分という視点での意見発表や記載も求められる。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 聴覚障害の定義、聴覚障害児教育の歴史
【第2回】
 聴覚障害の病理心理、聴力と聴覚補償
【第3回】
 補聴器、教育機器
【第4回】
 読話・発語  ※発音指導実習
【第5回】
 手話・指文字  ※指文字・手話実習
【第6回】
 早期教育、乳幼児教育相談
【第7回】
 教科・領域の指導  ※手話実習
【第8回】
 幼稚部教育
【第9回】
 義務教育  ※手話実習
【第10回】
 重複障害児教育
【第11回】
 自立活動
【第12回】
 生活指導
【第13回】
 交流教育、統合教育
【第14回】
 高等部、進学・就職
【第15回】
 聴覚障害児教育の課題