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授業の内容(Course Description) |
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超域思想論Ⅰでは、言語という現象を哲学的な観点から考察していくことにする。 普段、私たちは言語をなにげなく使用しており、言語そのものを自覚的に対象化して考察することはあまりない。むろん、私たちが文法を学ぶときには、個々の特殊な言語について、その規則性を考察するのだが、その際でも、言語そのものを対象化して、「言語とは何か」という一般的な問いを発することはない。言語を哲学的に考察するとは、まさにこの言語という現象を自覚的に対象化して、その本質的・一般的な特徴を考察することに他ならない。 この言語の哲学において、とりわけ興味深い現象は、言語の「意味」という現象である。私たちは言葉に意味がある、ということを自明とみなしているが、いざこの「意味」とは何かと問うと、直ちに答えることが難しい。いったい、「意味」とはこの世界に存在する他の存在者と同じ一つの存在者なのだろうか。そうでなければ、いかなる存在なのだろうか。 講義では、言語という現象、とりわけ言語の「意味」という現象に焦点をあて、言語の意味とは何かという問題を、さまざまな学説を参照しつつ探究していくことにしたい。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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言語という現象の本質について、自分なりに深く考察できること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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定期試験(約40%)、レポート(約40%)、平常点(約20%)の三つによって総合的に評価する。 平常点は、授業の内容についての感想文によって評価することにする。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:なし 参考文献:服部裕幸『言語哲学入門』(勁草書房) その他、授業中に適宜紹介する。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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参考文献の該当箇所を授業までに読んでおくことが望ましい。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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個々の特殊な言語についてではなく、言語そのものについて一般的に考察する領域ですので、ある程度の抽象的な考察を伴います。このような領域に興味のある方の受講を希望します。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義の概要 【第2回】 言語の意味とは何か(1) 【第3回】 言語の意味とは何か(2) 【第4回】 意味についての検証主義 【第5回】 意味使用説について 【第6回】 言語行為論(1) 【第7回】 言語行為論(2) 【第8回】 会話における含意 【第9回】 言語の起源(1) 【第10回】 言語の起源(2) 【第11回】 言語と文化(1) 【第12回】 言語と文化(2) 【第13回】 表現と解釈(1) 【第14回】 表現と解釈(2) 【第15回】 講義のまとめとレポート作成の準備
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