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授業の内容(Course Description) |
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17世紀イギリスの哲学者トマス・ホッブズ(Thomas Hobbes, 1588-1679)の主著、『リヴァイアサン』(Leviathan, 1651)のうち、人間の自然状態について論じた箇所を講読する。また、ホッブズ1642年の著作『市民論』(De cive)の対応箇所も確認する。毎回、講読担当者1名ないし2名が、自身作成の要旨を基に担当箇所について発表をする。その際、受講者相互のディスカッションも交えながら、ホッブズが使用している哲学用語(概念)、ホッブズによる議論の展開の仕方(推論)、そしてホッブズの主張(判断)について、その疑問点およびそれに対して考えられる解釈を確認する。また、ホッブズに対する哲学史上の異論も教員が適宜紹介する。こうした作業を通して、ホッブズの自然状態論の批判的読解を試みる。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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①各種辞典類に依拠しながら、テクストに現れた哲学用語(概念)の意味を簡潔に説明することができる。 ②テクストの各段落の議論の展開の仕方(推論)を記号や図を用いて分かりやすく説明することができる。 ③テクストの各段落において著者が一番言いたいこと(判断)を正しく指摘することができる。 ④ホッブズによる議論の各レベル(概念、推論、判断)について自分なりに疑問を提示することができる。 ⑤教員および他の受講者からの質問に対して、適切な理由を挙げながら自分の見解を表明することができる。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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①講読(レジュメ作成および発表):60点 ②出席兼準備学習:10点 ③授業態度:20点 ④レポート:10点 詳細については第1回授業において説明する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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ホッブズ(著)、水田洋(訳)、『リヴァイアサン』(1)、岩波文庫、2010年(第41刷)。 ホッブズ(著)、本田祐志(訳)、『市民論』、京都大学学術出版会、2008年。 その他については授業中に適宜紹介する。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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講読担当時にレジュメを作成してくるのはもちろんのこと、講読担当以外のときも同じ要領でレジュメを用意してくること。毎回の授業開始時にそれをチェックする。もしもレジュメを用意していない場合、欠席とする。 詳細については第1回授業において説明する。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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受講希望者は必ず第1回授業に参加すること。第2回目からの参加は原則として認めない。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション 【第2回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(「人間の平等」①) 【第3回】 ホッブズ『市民論』講読(「人間の平等」②) 【第4回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(「平等と不信」①) 【第5回】 ホッブズ『市民論』講読(「平等と不信」②) 【第6回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(「不信と戦争」①) 【第7回】 ホッブズ『市民論』講読(「不信と戦争」②) 【第8回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(「各人の各人に対する戦争」①)、振り返りシート作成 【第9回】 ホッブズ『市民論』講読(「各人の各人に対する戦争」②) 【第10回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(「戦争の諸不便」①) 【第11回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(「戦争の諸不便」②) 【第12回】 ホッブズ『市民論』講読(「戦争の諸不便」③) 【第13回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(「正と不正」①) 【第14回】 ホッブズ『市民論』講読(「正と不正」②) 【第15回】 ホッブズ『リヴァイアサン』講読(「平和の創出」)、振り返りシート作成
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