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授業の内容(Course Description) |
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ピア・リーダーシップ・プログラムは、初年次支援プログラムの一環として大学において増加傾向にある。「ピア・リーダーシップ」とは、学生に対して教育サービスを提供するために選ばれ、そして訓練された学生(ピア・サポーター)のことであり、そのような学生を育成する訓練や研修には、大学の歴史、理念・目的、基本的な青年期発達の理論および教授法に関する知識だけでなく、基盤となるコミュニケーション能力の育成が不可欠である。 「ピア・エデュケーションⅠ」では、高等教育の現状、大学の歴史や理念・目的、学生相互の学び合いの仕組み、国内外におけるピア・エデュケーションの歴史や制度に関する基本的知識の習得、実際に支援を行う学生の特徴をつかむための基本的な青年期発達理論の学習、ティーム・ティーチング、ファシリテーションなどの教育方法に関する知識について、講義とディスカッション、個人発表を中心に行う。 授業は、グループワークなども行うことから最大50名を限度とする。大学教育やピア・サポートに関心があり、実際に実践する意欲のある学生の受講を期待する。また、受講者は引き続き「ピア・エデュケーションⅡ」を受講することが望ましい。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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(知識・理解) 1.高等教育の現状や課題について説明することができる。 2.本学の歴史や理念・目的、学修の特色を説明することができる。 3.ピア・エデュケーションの理念や目的、国内外における状況について説明することができる。 4.前後期青年期の特徴や最近の生徒・学生の思考・行動様式について説明することができる。 5.授業を行う際に利用できる指導方術についてその要点を説明することができる。 (関心・意欲・態度) 1.ピア・エデュケーションに関心を持ち、自ら学ぶ態度を持つ。 2.授業を通して得た経験を、インターンシップやボランティアをはじめ、ピア・サポートやサービス・ラーニングに生かそうとする意欲を持つ。 (技能・表現) 1.適切なコミュニケーションをとるための基礎的な技術を持つ。 2.集団を指導する際に有効な指導方略、指導方術について基礎的な技術を持つ。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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①レポート試験 40% 学修ポートフォリオの提出(必須) ②平常点評価 60% 各回の授業内容についての小レポートおよび準備学習課題を課す。(必須) ※授業での小レポートの書き方については、単なる授業の感想ではなく、授業に主体的に参加していなければ答えられない内容とします。この点については第1回目の授業で詳しく説明します。学修ポートフォリオは、第2回の授業で作成についての説明を行います。 ※毎回、出席をとります。2分の1(8回)以上の欠席(公欠を除く)があった場合、期末レポート提出の資格を失うこととします。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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必要な資料や参考文献は授業内で配布、紹介します。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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①自己の学びに関する学修ポートフォリオの作成と準備 -毎回の授業後に、自分の学びがどうであったかについての小レポートを提出すること。 ②授業準備 -授業に臨むにあたり、必ず準備学習(調査、資料の準備等)を行うこと。 ③授業で得た知識や経験を、できるだけ実際の生活で活用すること。 -そこから得られた学びも記録しておき、自己の成長過程の省察を常に行うこと。 なお、講義や演習の順番は、授業の進行状況により前後する場合があります。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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①授業では、受講者に実際にピア・サポートを体験してもらいます。したがって授業前後での打ち合わせや反省会、自宅での個人学習など、授業前後においても担当教員との話し合いの時間が必要となるので、それを実際に行うだけの意欲と積極性を持って臨んでください。また、コミュニケーションに関する演習では、毎回異なるグループごとに演習を行います。初めて出会う人たちとさまざまなコミュニケーション・トレーニングを行いますが、恥かしがらず、積極的、主体的に取り組んでください。これらは、ピア・サポートのみならず、教職やボランティア等多くの役割や仕事に共通して求められる技術であり、自分を知り、自分を向上させるために必要なトレーニングです。本授業を受講する学生には、教職志望者やさまざまなピア・サポートを志望する学生を想定しているので積極的に参加してください。 なお、受講者が超過した場合には受講者調整(第1回授業の参加者から優先)を行う予定です。 ②小レポートの提出や資料の配布はLMS(ラーニング・マネジメント・システム)を使用します。学内外でインターネットが使用できる環境は各自で確保して下さい。 ③高等教育開発センターで活動するSCOT(Students Consulting on Teaching)参加者の受講を奨励します。 ④遅刻はやめてください。演習などでは初めにグループ分けをしますので、途中参加ができません。また、私語や飲食は厳に慎んでください。これは言うまでもなく、最低限の授業におけるマナーです。受講に際してとくに対応が必要な場合(病気や怪我、障害など)は遠慮なく申し出てください。出来る限り分かりやすく、興味を引く授業を心がけます。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション① 【キーワード】自己紹介、授業の到達目標、進め方、成績評価方法等、各回の授業の概要 【第2回】 イントロダクション② 【キーワード】学修ポートフォリオの進め方、LMS演習、ディスカッションおよび演習担当者の決定 【第3回】 大学におけるピア・リーダーシップ・プログラム 【キーワード】ピア・サポートの歴史、理念と目的、SCOTプログラム 【第4回】 日本と世界の高等教育の現状 【キーワード】教育の質保証、学力低下論、社会人基礎力 【第5回】 自分の大学を知る 【キーワード】帝京大学の沿革、建学の精神、理念・目的 【第6回】 現代の若者像① 【キーワード】自分たちの世代を知る 【第7回】 現代の若者像② 【キーワード】自分たちの世代を考える(ディスカッション) 【第8回】 思春期と青年期① 【キーワード】思春期・青年期の発達と大学生活 【第9回】 思春期と青年期② 【キーワード】思春期・青年期の発達と大学生活を考える(ディスカッション) 【第10回】 日本の大学におけるピア・リーダーシップ・プログラム 【キーワード】他大学におけるピア・サポート(ゲスト・スピーカー) 【第11回】 プレ学修ポートフォリオの作成演習 【第12回】 ピア・サポートで活用できる教育の方法と技術① 【キーワード】教授・学習理論の変遷、教育的コミュニケーションとは 【第13回】 ピア・サポートで活用できる教育の方法と技術② 【キーワード】教育的コミュニケーションの実際(演習:聴き手に求められる力-オーディエンス教育-) 【第14回】 ピア・エデュケーションの場を考える 【キーワード】帝京大学におけるピア・サポートを考える(グループワーク) 【第15回】 授業総括
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