1. |
授業の内容(Course Description) |
|
観光経営学は、観光供給を担う各種事業活動(=観光事業)の全貌を、経営学の枠組みと理論を援用しながら明らかにする科学である。その目的は、観光経営の現場における問題の所在、諸問題が生起するメカニズム(原因と結果の関係)、諸問題の解決に資する方策、観光のさらなる振興に寄与する事業創造の基礎となる知識・技能・経験を明らかにすることにある。 観光経営学の対象である観光事業とは、観光旅行者が購入する製品やサービスの生産と販売に関わる各種事業活動の総体のことをいう。その範囲は公的セクターによる各種行政サービスから民間セクターによる各種製品やサービスの生産と販売に至るまで幅広く、観光旅行者の目を通して初めてその全体像を把握できる類の概念である。事業活動のすべてを観光市場に依存するような事業は稀であり、多くの事業活動は観光市場に部分的に関わる。 観光経営学の比較的新しい試みとして、観光地全体を一種の経営体と捉えて、その経営のあり方を構想する視座がある。観光地の生成と発展を視野に入れながら、個々の事業を観光地全体として統括するような組織体を措定する試みであり、そうした意味での地域経営の関係者(アクター)には、ホストとしての地域住民、行政機関、農林漁業に始まる各種観光関連事業者、ゲストとしての観光旅行者が含まれる。 講義の進め方としては、教科書を参照しながら、経営学の枠組みと理論を織り交ぜながら、観光事業の全貌について講述する。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
この科目を履修することによって、現在すでに世界最大の産業とされ、今後さらにその重要性が高まると考えられている観光事業について、幅広い視野と的確な問題意識を身に着けてもらう。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
授業時間内に筆記試験を実施し、その成績によって評価する。授業内試験は原則として15回目の最終授業の中で実施する。毎回の授業で出題する問題の例題を紹介するので、授業に出席すれば合格点を取ることは難しくない。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
テキスト:岡本 伸之 編著『観光学入門』有斐閣 参 考 書:伊丹 敬之・加護野 忠男 著『ゼミナール経営学入門 第3版』日本経済新聞社
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
テキストと参考書をよく読んで授業の予習と復習をすること。なお、テキストと参考書のどの部分を読むべきかについては授業の中で指示する。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
担当者としては、受講者が観光と観光事業の在り方をめぐって、専門的な視野と問題認識を身に付けることができればと期待している。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
概ね、以下のテーマについて講義する。ただし、履修者の要望、観光事業の新たな展開等を踏まえて内容を変更することがある。 【第1回】 観光と観光学① 【第2回】 観光と観光学② 【第3回】 観光の歴史① 【第4回】 観光の歴史② 【第5回】 観光と行動① 【第6回】 観光と行動② 【第7回】 観光情報と観光情報産業① 【第8回】 観光情報と観光情報産業② 【第9回】 観光と交通① 【第10回】 観光と交通② 【第11回】 観光地と観光資源① 【第12回】 観光地と観光資源② 【第13回】 観光と環境① 【第14回】 観光経営の現代的課題 【第15回】 春学期の復習と授業内試験
|