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授業の内容(Course Description) |
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心理療法はチェスのようなもので、基本的なルールやある種の定石は書物や講義によって学ぶことができるが、それから先は書物や講義ではとても困難だとされている。実際は、継続して個人的指導すなわち個人スーパービジョンを受けるか、自分自身が心理療法を受けることが望ましいとされるが、グループスーパービジョンやケースカンファレンスも有用である。 このようなグループでの事例検討では、もちろん現場での臨床的な当事者間のリアリティーはある程度損なわれざるを得ないが、当事者間だけでは見失いがちな客観的視点を取り戻し、視野を広げ、技法や理論・病理などの理解を深め、孤立せずに支えを得ることが可能である。これは報告者だけではなく、参加者にも有用な方法であり、まさに、心理療法家となるうえで必須のトレーニングであるといえる。 本演習では、各受講者が実際に体験した事例を詳細に報告し、教員を含めた参加者と積極的に討論することで、心理療法の実践的なトレーニングを行っていくことを目標とする。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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本演習では、各受講者が実際に体験した事例を詳細に報告し、教員を含めた参加者と積極的に討論することで、心理療法の実践的なトレーニングを行っていくことを目標とする。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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報告・討論への参加を通して、各自の理解力・考察力および表現力などを総合的に判断する。出席は必須である。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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適宜呈示する。下記ホームページの大学院連絡事項も参照のこと。 http://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/~m-ikeda/index.htm
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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関連する各講義(心理療法特論、臨床心理学特論、臨床心理面接特論、臨床心理地域援助特論、学校臨床心理学特論、臨床心理基礎実習、臨床心理実習など)を受講することはもちろん、各講義で提示された文献を読み、心理療法に関する知見を深めておくことが望ましい。ケース報告の際は、スーパービジョンを行っている指導教員の指導を受けること。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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基本的には2年生のみの参加である。 主に、心理臨床センターで担当した、継続して個人スーパービジョンを受けているケースを呈示することになるが、本人・保護者の了解を得ることはもちろん、守秘義務の徹底、匿名性の確保など、臨床的リアリティを確保しながらも、倫理的に充分に配慮することが必要である。 真剣に学ぼうとしている他の院生の邪魔をしないこと(私語、携帯電話、担当時の遅刻・欠席など)。 主体的・創造的な参加が望まれる。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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実際の演習の曜日・時限は、ケースやスーパーバイザーの関係で時間割とは異なることが多いことが予想される。 (月曜日、火曜日の6,7限、夏期、春期の休業期間も利用される。) 常に掲示や連絡に注意し、バイザーとの連絡を密にとること。 基本的には2コマずつ行う予定である。 【第1回】~【第30回】 報告・討論
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