Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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社会精神医学概論 山﨑 修道
選択  2単位
【心理】 12-1-1360-3273-01

1. 授業の内容(Course Description)
 精神疾患に対する社会の見方・とらえ方は,21世紀に入って大きく変わってきています.世界保健機構(WHO)は,具体的なデータ・数値から,先進国では精神疾患が,がんや心臓疾患よりも人間の人生に及ぼす影響が甚大であるという報告を出しています.これまで基礎科学の対象となりにくかった精神疾患が,基礎科学の最高峰の雑誌であるネイチャー誌の2010年1月の巻頭言で取り上げられ,「これからの10年は科学の英知を精神疾患の解明に使うべきだ」と宣言されました.私たちの社会でも,インターネットの普及に伴い,精神疾患に関する情報があふれるようになってきています.
 21世紀に入って変わりつつある精神疾患・こころの病について正しい知識を身につけ,学生自身が精神疾患にかかった時にどうすればいいかを考えるきっかけになればと考えています.
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 精神疾患に対する最新の知見を身につけ,精神疾患に対する捉え方を柔軟にし,偏見解消のきっかけとする.また,自分もしくは身の回りの人が精神疾患にかかった時に,正しい対応法を取ることが出来るようになる.
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 定期試験が主な評価対象となる(※持ち込み不可)。そのため、授業に7割以上出席し定期試験に臨むことが求められる。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト・参考文献は適宜授業内にて提示する.
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 現在の生活の中で流れている精神疾患に関する情報(TV・ネット・書籍・口コミ・噂など)に対して注意を向け,自分なりにその情報がどの程度確からしいのかを考えるようにしてみてください.
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 授業の妨害となる行為は厳に謹んでください.単位を取り消す場合もあります.
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 授業ガイダンス(※必ず出席すること)
【第2回】
 現代社会での精神疾患の位置づけ①~5大疾病に入った精神疾患
【第3回】
 現代社会での精神疾患の位置づけ②~寿命・健康ロスの大きさ
【第4回】
 抑うつについて~うつ病・新型うつ病・うつ病以外のうつ症状
【第5回】
 不安について~不安への対処は「対処しないこと」?!~
【第6回】
 統合失調症について~意外に身近な精神疾患
【第7回】
 発達障がいについて~現代社会で増えてきた障がい
【第8回】
 思春期と精神疾患~最も発症しやすい時期
【第9回】
 働くことと精神疾患~発症にも回復にもつながる
【第10回】
 家族と精神疾患~最も身近な「社会」
【第11回】
 もし精神疾患にかかったら?①~当事者の方の体験をもとに
【第12回】
 もし精神疾患にかかったら?②~早期発見・早期支援の大切さ
【第13回】
 世界の最先端は今?~先進国での精神疾患への取り組み
【第14回】
 これからの日本はどうなるか?~今後日本の精神保健医療体制が向かう方向について
【第15回】
 まとめ