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授業の内容(Course Description) |
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「高齢者」という言葉自体は年齢による区分ではあるが、ひとりの人間が高齢者になるときには年齢のことにとどまらず、様々な身体的・心理的・社会的な変化を伴う。高齢になることで、退職などの社会的役割の喪失、身体的健康の喪失、さまざまな人間関係の喪失、死との直面化などを経験する。また、社会的孤立や家族の中での孤立なども経験する。日本は高齢社会をむかえ、保健医療サービスや社会サービス(介護・福祉)の整備を進めてきた。一方で、高齢者の心の問題に対する取り組みは十分になされているとは言えない。 この授業は、高齢者の心身の変化、認知症といった疾患と精神医療との関わり、社会における高齢者の役割と居場所の課題、高齢者の家族介護者をとり巻く状況などを理解することを目的とする。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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本講義では、上述した高齢者を囲む心の問題を紹介するとともに、どのようなケアや対応がなされているか検討する。特に認知症のケアについては詳しくふれていく予定である。認知症ケアは近年大きな変革期をむかえている。医学や福祉分野のみならず、地域で多数の住民が連携してささえるあり方が議論されるようになってきている。それらの動きや最新の知見についても紹介したい。 これら動きの中で、心理的視点の重要性を強調したいと思う。高齢者の心理臨床活動は、医療、保健、福祉との連携をとりながら、これまでにない住民参加型の新しい展開を行う必要がある。それらについても本講義ではふれていきたい。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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定期試験が主な評価対象となる(持ち込み不可)。そのため、授業に7割以上出席し定期試験に臨むことが求められる。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは指定しない。 参考文献 『高齢者の心理と臨床心理学』 下仲順子 編 培風館 『高齢者の心理療法 回想法』 黒川由紀子 著 誠信書房 『高齢者虐待』 小林篤子 著 中公新書
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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日常的に新聞や書籍を読み、高齢者の諸問題について関心を持ってほしい。さらに自分の住む地域の高齢者支援の現状を調べたうえで授業に臨むことを期待する。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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心理臨床やカウンセリングに関心のある学生にはぜひ選択してほしい。高齢者に関する事件や今日的な課題にも触れていく予定である。自分自身の家族である高齢者にどう対応していくか、自分の親が高齢となったときにどう接するか、身近な人が認知症となった時にどう判断するかなど自分自身の問題としても考えてもらいたい。「人は老いにどう臨むか」これが講義を貫くテーマである。1年生の履修は歓迎したい。 授業中の他人に迷惑をかける行為には、厳しく対処する。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 授業ガイダンス、高齢社会(※必ず出席すること) 【第2回】 高齢者の医療と介護 【第3回】 高齢者の罹患しやすい疾患、うつ病 【第4回】 認知症 【第5回】 認知機能のアセスメント(※認知機能検査の一部分を体験する予定) 【第6回】 災害時のケア 【第7回】 終末期ケア 【第8回】 家族介護者の心理 【第9回】 高齢者虐待の諸問題 【第10回】 介護労働者の心理 【第11回】 介護施設における高齢者のQOL 【第12回】 高齢者の非薬物療法I(基本的態度など) 【第13回】 高齢者の非薬物療法Ⅱ(回想法など) 【第14回】 高齢者と犯罪 【第15回】 まとめ・定期試験の留意点
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