Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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財政学副演習 I ・ II 加藤 新一
選択(通年)  2単位
【経営学専攻】 12-1-1110-0147-23A

1. 授業の内容(Course Description)
 財政とは政府の経済活動であり、政府は必ず中央政府と地方政府との任務分担関係のもとに構成されているものであるから、財政にかかわる分析はつねに中央政府と地方政府の全構造を視野におさめつつなされるべきものである。この講義はこのような意味での財政の存在形態を全構造的に把握しようとする視点に立つものである。従って、通常の講義科目でいえば、「財政学」と「地方財政論」がカバーする領域を包括している。
 この講義は教科書を定めず、できるだけ具体的な情報や数値を用いた資料講読的なかたちて進めていくこととする。対象として、日本と中国をとりあげる。中国に着目するのは、世界史的な経済成長を達成しつつある中国ではその経済運営において政府の役割がとくにおおきく、財政問題の分析にとって興味ある素材が豊富であるからである。また大学院において中国からの留学生が多いという現実的な条件に対応することも目的である。
 以上に示す授業計画は一応のめやすであって、受講生からの要請、働きかけに対応しながら、日本と中国において生起する具体的な諸問題を取り扱って講義ないし集団的な討議を行っていきたい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 財政にかかわる事柄について、できるだけ直接的な情報や数値を収集し、それを理解、分析していくための方法を学ぶこと。自ら必要な資料を探索,収集してそれを分析するという手法の基礎を身につけること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席状況、授業での報告・発言、論文などを総合して評価する。毎回出席をとる。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 とくに定めない。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 講義ないし集団的討議の素材として、インターネットで政府機関のホームページを検索する等の手段によって広い意味で財政に関わる(もしくはより広く経済に関わる)情報を収集すること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 前項によって収集した情報を講義に持ち寄り、講義ないしは集団的討議の素材として提供してほしい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 財政とは何か:導入
【第2回】
 当面する財政問題:予備的考察
【第3回】
 日本の財政制度:概観
【第4回】
 中国の財政制度:概観
【第5回】
 日本における政府間財政関係と財政移転
【第6回】
 中国における政府間財政関係と財政移転
【第7回】
 日本における政府間財源配分と租税(1)
【第8回】
 日本における政府間財源配分と租税(2)
【第9回】
 中国における政府間財源配分と租税(1)
【第10回】
 中国における政府間財源配分と租税(2)
【第11回】
 日本における社会資本整備(1)
【第12回】
 日本における社会資本整備(2)
【第13回】
 中国における社会資本整備(1)
【第14回】
 中国における社会資本整備(2)
【第15回】
 まとめ