Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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日本経済論副演習 I ・ II 小島 祥一
選択(通年)  2単位
【経営学専攻】 12-1-1110-0210-42A

1. 授業の内容(Course Description)
 2000年代半ばの世界経済危機は、パートIが政策対応によって小康状態になった後、ユーロ圏財政破綻の危機で、パートIIに移った。これは、1980年代後半以降のバブル発生、崩壊後、長期低迷を続け「失われた20年」となり現在に至る日本経済の経験と二重写しになっている。また、中国など新興国は高い成長を続け、世界経済危機からの脱出を牽引する力となっているが、アメリカへの輸出依存というグローバルなインバランスを縮小しつつ成長を維持出来るか、が課題となっている。これは1980年代前半の日米経常収支不均衡縮小における日本経済の経験と、これまた二重写しになっている。
 このように日本経済を現時点で学ぶことの意義は、世界経済危機の国内経済的な問題にどう対応するか、グローバル経済的な問題にどう対応するか、の2つの課題について、良くも悪くも日本の経験を知って、より良い解決策を探るヒントとすることにある。
 世界経済との関係を念頭に置きながら日本経済や中国など各国経済を論じている権威ある機関は、IMFと世界銀行である。この授業では、これら国際金融機関が作成している経済分析、経済予測、政策分析の英語文献を読みながら、グローバル経済の見方、日本経済の見方、日本と中国など各国と比較する見方を身につけ、修士論文作成の基礎とすることを内容とする。Iでは、全体的な見方をカバーする文献を読み、IIでは、個々の学生の関心ある分野をカバーする文献を読む。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 日本経済の経験を消化した上で、幅広い現実的な視野で、世界経済危機や中国など新興国の成長を論られるようになることが、到達目標である。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 英文文献や関連文献を解読し、発表し、議論する能力をどれ程身につけたか、で評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 IMF、世界銀行の文献をウェブサイトで入手して用いる。特に次の文献を読む。
 IMF Working Paper『Transforming China:Insights from the Japanese Experience of the 1980s』,2010
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 IMF、世界銀行のウェブサイトには多くの興味ある資料が公表されているので、親しみを持ってアクセスすること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 修士論文を作成する際に、世界ではどう議論されているかを知った上でまとめ、論文における議論が世界に通用するものになるよう、努力して欲しい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
 学生の人数、要望、文献購読の能力により、調整しながら進める。