Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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労働経済論 II 藤村  誠
選択  2単位
【経営】 12-1-1110-1604-04A

1. 授業の内容(Course Description)
 仕事、すなわち、労働は、大多数の国民にとって、生活を支える重要な手段です。
 今、我が国社会の人口減少、少子高齢化、経済のグローバル化・サービス化・低成長化、世界同時不況・東日本大震災の発生など、職業や労働をめぐる経済・社会の状況は大きく変わり、その中で、日本的雇用慣行の変化、長時間労働層や非正規労働者の増加、ワーキングプアの発生などの問題が生じ、労働問題や労働政策は、大きな国家的な課題となり、国民の重大な関心事となっています。また、人事・賃金の能力・成果・仕事主義化や労働者自らによるキャリア形成など新しい働き方・多様な働き方を求める動きもみられます。さらに、現下の世界的不況・大震災からの復興過程の中にあって、失業、失業対策等が注目されています。
 本講義では、労働をめぐる経済現象や労働政策の課題等について、ミクロ経済学的視点を中心にし、マクロ経済学的視点や制度派的視点を交えて、学習します。労働経済論IIでは、労働経済論Iに引き続いて、日本的雇用慣行の変化、失業の動向をはじめ、トピック的な労働経済の応用的、各論的事項を理論と統計データを交えて取り扱います。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 労働経済の応用的、各論的事項に関する理論、知識を習得し、これら理論、知識をベースにした思考力の展開を目標とします。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 評価は、定期試験(記述形式)の得点を基本とし(7割)、出席状況、授業中の態度、適時行う小テストの得点などを加味して(3割)、総合的に評価します。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 教科書:太田 聰一・橘木 俊詔『労働経済学入門(新版)』(有斐閣)
 参考書:清家 篤『労働経済』(東洋経済新報社)
     大橋 勇雄・中村 二朗『労働市場の経済学』(有斐閣)
     古郡 鞆子『働くことの経済学』(有斐閣)
     佐藤 博樹・藤村 博之・八代 充史『新しい人事労務管理』(第4版)(有斐閣)
     など。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 新聞の労働問題や労働政策の記事には、できるだけ目を通すようにしてください。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 本講義が、社会に出て自立する準備をすべき学生諸君にとって、自らの職業選択のヒントになることをも願っています。
 授業中の私語、携帯電話等は厳禁とします。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】・【第2回】
 日本的雇用慣行の特色・長所と短所、日本的雇用慣行の変容と動向(能力・成果・仕事主義化、雇用形態の多様化ほか)。
【第3回】
 離職・転職(1)…自己都合の離職・会社都合の離職。離職率、転職率。
【第4回】
 離職・転職(2)…離職のメカニズム
【第5回】
 高失業の経済学(1)…失業の見方。失業率の推移。失業発生の理由。
【第6回】
 高失業の経済学(2)…失業率を下げる政策。失業保険(雇用保険)。雇用調整。
【第7回】
 女性の労働問題(1)…女性労働の役割の増大、女性労働の特徴。家事・結婚・育児責任。
【第8回】
 女性の労働問題(2)…男女の役割分担意識、女性の就労実態。女性差別の状況。
【第9回】
 女性の労働問題(3)…男女共同参画社会。育児休業等と男女雇用機会均等。ワーク・ライフ・バランス。
【第10回】
 若者の雇用(1)…若者労働の特徴。フリーター、ニート。非正規労働者の増加。離職率(七五三離職)。
【第11回】
 若者の雇用(2)…氷河期世代。企業の採用行動。若者雇用の悪化と問題点。若年雇用対策。
【第12回】
 高齢者の雇用(1)…高齢者雇用の問題点。高齢者の就業意欲。定年制。
【第13回】
 高齢者の雇用(2)…定年延長、継続雇用。豊かな高齢期。
【第14回】
 外国の雇用。
【第15回】
 障害者の雇用。労働経済論II補論。
 以上の予定ですが、場合によっては、スケジュールに多少の前後や変更をすることがあります。