Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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西アジア経済論 II 清水 學
選択  2単位
【経営】 12-1-1110-1774-18A

1. 授業の内容(Course Description)
 西アジアはほぼ中東と同義であるが、アフガニスタン、イラン、トルコ、さらにサウジアラビアなど湾岸アラブ諸国、エジプト、シリア、イスラエルに加えてアルジェリアなど北アフリカをイメージしてもらえればよい。一見遠い地域のようであるが、西アジアは戦争・紛争など今日の国際問題の焦点となっており、日本の政治でさえ、ますますその動向に直結している。他方、西アジアは経済的にも金融的にも次第に存在感を強めている。世界経済への石油・天然ガス供給国が集中しており、先進国企業の主要株主の座もねらう巨額なアラブ・オイルマネーの動向、無視できなくなったイスラーム金融・銀行システム、湾岸での金融センターの発展は最近の話題を呼んでいる。
 本学期では西アジア経済の理解をイッシュー(問題)毎に深める方法で独立した講義であるが、西アジア経済論Ⅰを受講してイスラームなどに関する基礎的知識を得ていることが望ましい。西アジア経済は各国が独自の地域的文化的背景を持っていると同時に、グローバル経済に深く組み込まれている。同時に若年人口の爆発的増加など地域格差、階層格差の拡大、雇用問題など社会的政治的不安も深刻化している。この講義では、西アジア経済の最近の発展を考慮に入れて、世界経済を見る視点を柔軟かつ多角化することを目的とする。 西アジア経済を理解するためには、その歴史と同時に文化的背景の理解も必要であり、特にイスラームなど、われわれの頭脳を柔軟にしないと多くの誤解を生みやすい問題も多い。また世界政治、世界経済と軍事、経済と宗教・価値観が絡み合う分野も少なくない。そのため総体的西アジアの理解もめざす。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 国際経済及び日本を含む東アジア経済にとって重要なエネルギー問題と金融面でも注目される西アジア経済とその政治に関する基礎的認識を得ること、それにより世界政治経済の構造を理解する手がかりを得ること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末定期試験によって評価する。必要に応じて出席を考慮に入れる。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストは特定しないが配布プリントにより講義する。
 参考書は適宜講義で指示する。同時に各種日刊紙を常時参考すること。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 新聞・雑誌などを通じて関連事項をフォローする習慣をつける。
 入門に相応しい書籍を講義に際,指示する。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 新しい分野にチャレンジしようとする学生、発想の枠を柔軟にしようとする学生、質問を出す学生を歓迎する。西アジアを通じて異なる価値観を知ることは、今後国際的に活躍しようとする学生にとって貴重なヒントが得られると信じる。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 今日、西アジアが注目される理由は何か。
【第2回】
 西アジア経済と石油ガス産業(1)
【第3回】
 西アジア経済と石油ガス産業(2)
【第4回】
 オイルマネーと国家ファンド(1)
【第5回】
 オイルマネーと国家ファンド(2)
【第6回】
 西アジアの経済発展戦略の回顧:輸入代替工業化
【第7回】
 アラブ社会主義とその変遷
【第8回】
 グローバル化と西アジア経済
【第9回】
 西アジアにおける戦争と紛争
【第10回】
 アラブ民族とその世界(1)
【第11回】
 イスラエル・パレスチナ紛争(1)
【第12回】
 イスラエル・パレスチナ紛争(2)
【第13回】
 「アラブの春」とイスラーム復興(1)
【第14回】
 「アラブの春」とイスラーム復興(2)
【第15回】
 西アジア経済論Ⅱのまとめ