Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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アジア経済論特講 I 清水 學
選択  2単位
【経営学専攻】 12-1-1110-1774-27A

1. 授業の内容(Course Description)
 広義のアジア諸国のなかでいくつかの国をとりあげ、その個別ケースの検討を通じて経済発展問題を考える。対象国としては、インド、ベトナム、ウズベキスタン、エジプト、湾岸諸国、マレーシアなどを念頭に置く。また講義ではテーマとしては特に取り上げないが中国経済の動向は否応なしに意識せざるをえない対象である。途上国は概して国家の役割が前面に出易いが、特に上記の国はその面が顕著である。問題意識としては、開発戦略における国家の役割とそれに対置される民間セクターの対応、およびそれと関連して地域研究的アプローチの有効性の検証である。同時に急速に進展してきたグローバル経済化という環境のなかで上記の問題を検討せざるをえない。グローバル化のなかで市場原理の導入、民営化などを通じて国家主導型経済発展戦略からの転換を余儀なくされてきたこれら新興経済圏は、今日の途上国経済を考えるうえで、またソ連型社会主義の崩壊という歴史的段階についてさまざまなヒントを与えるものと思われる。さらに世界経済における受け身の存在ではなく、その再編成を担う主体のアクターとなってきた新興経済圏を考える。
 今学期は、1980年代以降の途上国経済を取り巻く条件を検討することに主眼を置くとともに、インド経済やイスラーム金融論を材料に比較経済体制論の視点で途上国経済の比較を行う。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 講義と討論を通じて、自ら課題を発見してレポートなどにまとめられることを目指す.
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 講義とはいえ、学生諸君の議論・質問を重視したい。一言でいえば、学生諸君の積極的な授業への参加の姿勢を評価したい。
 最後には一定のレポートをまとめてもらい、評価の対象にする。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 特定のテキストは使用しないが、講義を通じて適宜、参考文献を提示する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 関心を持つ国・地域に関する基礎的知識の習得、さらに政策として議論されているイッシューを常に発見するために、新聞を読むことを意識的に努力すること。ただし、日本のメディアの質の低下などの問題もあり、多様な立場を知るため、外国語の新聞・雑誌にも慣れていくことが望まれる。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 どんな初歩的に思われる問題でも積極的に質問し、あるいは自分の見解を表明できるように努力すること。
 また、新聞のニュースへの関心を維持すること。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション
【第2回】・【第3回】
 途上国経済研究を巡る概観
【第4回】~【第7回】
 リーマン・ショックと途上国経済への影響
【第8回】~【第12回】
 インド経済の構造と発展戦略
【第13回】~【第14回】
 イスラーム経済論による比較経済体制論 
【第15回】
 まとめ
 なお、必要に応じて講義に関連した、その時々の重要な経済イッシューをとりあげる。