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授業の内容(Course Description) |
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この講義では、日本の租税の中で主要な地位を占め、また企業が行う事業や経営などの経済活動に重要な関係がある法人税について、学習する。 法人税は、会社などの法人の所得に対して課される税である。法人税法には、その課税所得の計算に関して、租税の公平な負担や納税者が課税について予測できることを確保するために、詳細な規定が設けられている。本講義では、法人税の課税所得に関する主要な項目について、できる限りその制度が設けられた趣旨やその背景の説明を行い、法人税の基本的な仕組みとその考え方を分かりやすく理解できるように、学習を進める。 特に、現在企業の経済活動において、重要な課題となっている①有価証券やリース取引、デリバティブ取引などの金融取引・金融商品の課税、②企業が競争力を確保するために行う企業の買収・譲渡や企業の再編・提携などの企業組織の再編の課税について、学習する。 また、脱税について、実態を紹介し、その背景や対応策を考える。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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法人税法の土台にある考え方を理解することにより、社会生活において、租税について自ら考え判断し、処理することができる能力を身につけることを目標とする。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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授業の理解度と出席を確認するために授業中に行う小テスト(60点)および期末テスト(40点)で評価を行う。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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毎回必要に応じ資料を配布する。 参考文献:川田剛『基礎から学ぶ法人税法』大蔵財務協会
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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法人税の各項目は、相互に密接に関連しており、授業内容の予習・復習を着実に行うことが重要である。授業内容の区切りに小テストを行うので、復習を行うこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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税法は難解な面があり、その学習は地道な努力の積み重ねである。授業に出席してノートを取り、税法の考え方を理解し、基礎を固めて積み上げ、それに基づいて自ら考える姿勢を必要とする。 春期の「日本の税法 I 」と継続して受講することが望ましい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 授業のガイダンス 【第2回】 法人税の所得の金額 【第3回】 有価証券 【第4回】 リース取引 【第5回】 脱税について考える(1) 【第6回】 脱税について考える(2) 【第7回】 デリバティブ取引 【第8回】 借地権 【第9回】 外貨建取引の換算等 【第10回】 組織再編税制(1) 【第11回】 組織再編税制(2) 【第12回】 法人税の税額の計算、申告・納付 【第13回】 連結納税制度、青色申告制度 【第14回】 税務行政と税理士制度 【第15回】 秋学期のまとめ
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