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授業の内容(Course Description) |
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衛生学・公衆衛生学は主に集団を対象としていて、個人を対象とする臨床医学とは違いますから、社会医学として分類されています。したがって集団の健康水準を計る物差しとして多くの指標が用意されています。また人々の健康の保持や増進のための保健活動は、主に行政側からのアプローチが中心となりがちですが、これらを十分に機能させるためには住民の積極的な参加や自主的な努力が重要であることが認識されています。 21世紀の健康な社会を築いていくために、集団の各種健康指標の意味や現状、そして保健活動の進め方などについて学びます。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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衛生学や公衆衛生学について十分な知識を持ち、人々の健康に関する現在における問題点を把握してその対策について考えることができる。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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参加態度とノートと期末テストにて評価をします。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考書:『スタンダード 公衆衛生学』真野喜洋編 文光堂
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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教科書はありませんので予習は難しいかも知れません。出来るだけ図書館の健康に関する雑誌などに目を通して復習してください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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まずは出席率80%を確保して正確なノートを作ってください。範囲があまりにも広範囲に及んでいて戸惑うかもしれませんが、わからないところは遠慮なく質問してください。最終講義にて総まとめのプリントを配布しますから試験に役立ててください。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション 衛生・公衆衛生学の起源と役割。健康の概念の変遷、予防医学や疫学の意義について学ぶ。 【第2回】 人口統計・衛生統計 各種健康指標、戦後の急激な人口構造・疾病構造の変化と今後の動向を理解する。生命表から平均寿命の算出を試み、その意味を考察する。 【第3回】 衛生行政 衛生行政の仕組みと国や地方自治体の役割、医療の現状、医療計画について学ぶ。 【第4回】 地域保健 地域保健における地域の概念、保健所・市町村保健センターの役割と活動について学ぶ。 【第5回】 衛生法規 主な衛生法規を概観する。 【第6回】 健康づくり 21世紀の国民健康づくりや予防医学の3段階について学ぶ。 【第7回】 環境保健 日本の公害の歴史、環境基本法、環境アセスメントなどについて学ぶ。 【第8回】 労働衛生 労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法を概観する。労災の現状や職業性疾病について学ぶ。 【第9回】 食生活と食品衛生 国民健康・栄養調査から食生活の現状や問題点並びに食中毒について学ぶ。 【第10回】 学校保健 学校教育法、学校保健安全法を概観する。保健教育の重要性、学校安全推進、学童事故の現状、学校伝染病について学ぶ。 【第11回】 母子保健 母子保健法と母体保護法を概観する。母子保健に関わる各種指標の意味と現状を学ぶ。 【第12回】 老人保健 国民医療費と老人医療費の現状と問題点などを学ぶ。これからの高齢社会について介護保険法をもとに考察する。 【第13回】 精神保健 精神保健福祉法を概観する。精神保健福祉センター等の役割と活動、精神障害者医療の仕組みと現状を理解する。 【第14回】 社会保障制度(Ⅰ) 社会保障制度を概観する。なかでも社会福祉制度の意義と内容を学ぶ。 【第15回】 社会保障制度(Ⅱ) 介護保険、医療保険、年金保険などを概観して、高齢社会における社会保険制度について学ぶ。
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