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授業の内容(Course Description) |
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21世紀は同時多発テロで幕を開いた。アブガニスタンでもイラクでもテロとの戦いが行われている。戦場というものがなく交渉相手もいない。街の中が突然に戦場になる全く新しい時代が到来した。どんな大量破壊兵器が使われるかも分からない。化学兵器や生物兵器や弾道ミサイルが使われるかもしれない。戦車や大砲では対応できない戦いが行われている。まさに新しい時代の脅威と言える。このような新しい戦略環境の下で、依然として世界一の軍事超大国であるアメリカはどのような国家の安全保障を考えているのか。わが国とアメリカは、好むと好まざるとにかかわらず、政治・経済・外交・安全保障の全ての面で、今後も緊密な関係を維持していくことになろう。したがって、諸君が国際人として社会人として将来どんな分野に進もうとも、アメリカについての知識がどうしても必要となる。「政治学D」の講義では、アメリカの、国益、国家戦略、安全保障戦略、軍事戦略、地域毎の安全保障戦略、国防組織、軍事力とくに核戦力、通常戦力、過去の軍事力行使の態様など、「アメリカ軍事システム」に関する基礎的な知識を整理したものである。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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国力の四大要素は政治力・経済力・外交力・軍事力であるが、そのうち軍事力はどのような構成要素から成り立っているかと言った基礎的な事項から、米国軍事力の現状と特性、とくに核戦力・米国の軍事戦略・日米安保体制の役割と限界について概要を習得させ、新聞やテレビで紹介される北朝鮮問題、イラク戦争やアフガニスタン戦争の背景を理解できるようにする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業への参加度を重視する。小テスト・期末試験の成績を総合的に評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考書 志方俊之著『無防備列島』(海竜社) 参考書 志方俊之著『日本はこのままでは生き残れない』(PHP研究所)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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当日の授業計画に示された項目の予備知識をインターネットで調査し、最低限のキーワードについて予習しておくこと。および当日の授業で筆記をさせた内容については、次回までに整理しておくこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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出席率を最重視する。講義中、不定期にワンポイント・テストを行う。「政治学C」を受講した者は、なるべく本講義を受講することを希望する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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以下の項目を、ほぼ1週間に一つのペースで進める。 【第1回】 アメリカの国益(国益の定義とアメリカの考え方) 【第2回】 アメリカの国家戦略(国益を追求する手段の組み合わせと政軍関係) 【第3回】 アメリカの安全保障政策(その1:冷戦と、多国間集団防衛の枠組) 【第4回】 アメリカの安全保障政策(その2:対中東戦略―第4次中東戦争) 【第5回】 アメリカの安全保障政策(その3:対中東戦略―イラン・イラク戦争と湾岸戦争) 【第6回】 アメリカの安全保障政策(その4:対中東戦略―アフガニスタン戦争) 【第7回】 アメリカの安全保障政策(その5:対中東戦略―イラク戦争) 【第8回】 アメリカの安全保障政策(その6:対朝鮮半島戦略とミサイル防衛) 【第9回】 アメリカの安全保障政策(その7:対中国戦略と台湾問題) 【第10回】 アメリカの軍事力(その1:核戦略と核戦力、その特性) 【第11回】 アメリカの軍事力(その2:通常戦力、その特性) 【第12回】 日米同盟(日米安全保障条約) 【第13回】 日米同盟(日米防衛協力の指針、ガイドライン) 【第14回】 日米同盟(日米同盟の将来) 【第15回】 まとめ
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