Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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法律学演習 IV 上條 克彦
選択  2単位
【法律】 12-1-1210-3072-12A

1. 授業の内容(Course Description)
 知識は、単にひとから聞いただけでは真に自分のものとはなりません。ほかの人に自分の考えていることをぶつけ、その結果ほかの人から手厳しい反論を受けることによって、はじめて自分のものとなります。
 このゼミは、「税法B」の受講者のために、租税法の判例をもとに参加者全員で討議することにより、講義で聞いた知識を確実なものにすることを目的としています。
 ゼミでは、一つの租税法判例を、二回(判例説明、討議)にわけて検討します。
 「判例説明」では、判例の事件の概要についてできるだけわかりやすく説明します。
 「討議」は、次のように全員参加で行います。
  ① 原告(納税者)、被告(国)、裁判官、傍聴者(国民)の4グループを作ります。 
  ② 原告グループは、事件の概要と争点をまとめ、発表します。
  ③ 原告グループと被告グループは、それぞれの立場に立ち、攻撃防御します。
  ④ 裁判官グループは、実際の判決にとらわれずに独自の判決を下します。
  ⑤ 傍聴者(国民)グループは、その判決の当否について意見を述べます。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 他人の考え方を理解し、自分の考えを正確に表現できるようになるとともに、一つの問題について、多数の「正解」がありうることを理解すること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 授業への出席、討議への貢献度、期末レポートの総合評価
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:別冊ジュリスト『租税判例百選』(有斐閣)または、
      金子宏・佐藤英明・増井良啓・渋谷雅弘『ケースブック租税法(第3版)』
 参考文献:川田剛『租税法入門(七訂版)』(財団法人大蔵財務協会)
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 あらかじめ、判例を読み込み、事実関係と争点をしっかり把握しておいてください。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 このゼミで学ぶ、租税法、会社法、会計学などの知識は、公務員をめざすひとはもちろんのこと、民間企業をめざすひとでも、ぜひとも身に着けておく必要があるものばかりです。
 困難な局面にあって最終的に自分を助けてくれるのは、自分が日ごろから確実に身に着けた知識だけです。
 そのためには、自分の考えや知識をほかの人に実際にぶつけてみて、鍛える必要があります。
 したがって、ほかのどんな用事よりもゼミを優先し、議論に参加しましょう。 
7.
授業の計画(Course Syllabus)
 (以下の判例は仮のものです。今後変更する可能性があります。)
【第1回】
 オリエンテーション・・・ゼミの進め方、判例の読み方
【第2回】
 判例説明・・・フリンジベネフィット(大阪高裁S53/3/31)
【第3回】
 討議
【第4回】
 判例説明・・・冒用登記(最高裁S48/4/26)
【第5回】
 討議
【第6回】
 判例説明・・・土地相続税8割評価(東京高裁H11/8/30)
【第7回】
 討議
【第8回】
 判例説明・・・ペット葬祭業(最高裁H20/9/12)
【第9回】
 討議
【第10回】
 判例説明・・・ネズミ講(福岡高裁H2/7/18)
【第11回】
 討議
【第12回】
 判例説明・・・NTTドコモ(最高裁H20/9/16)
【第13回】
 討議
【第14回】
 判例説明・・・荒井商事オートオークション(東京高裁H5/6/28)
【第15回】
 討議