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授業の内容(Course Description) |
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知識は、単にひとから聞いただけでは真に自分のものとはなりません。ほかの人に自分の考えていることをぶつけ、その結果ほかの人から手厳しい反論を受けることによって、はじめて自分のものとなります。 このゼミは、「税法B」の受講者のために、租税法の判例をもとに参加者全員で討議することにより、講義で聞いた知識を確実なものにすることを目的としています。 ゼミでは、一つの租税法判例を、二回(判例説明、討議)にわけて検討します。 「判例説明」では、判例の事件の概要についてできるだけわかりやすく説明します。 「討議」は、次のように全員参加で行います。 ① 原告(納税者)、被告(国)、裁判官、傍聴者(国民)の4グループを作ります。 ② 原告グループは、事件の概要と争点をまとめ、発表します。 ③ 原告グループと被告グループは、それぞれの立場に立ち、攻撃防御します。 ④ 裁判官グループは、実際の判決にとらわれずに独自の判決を下します。 ⑤ 傍聴者(国民)グループは、その判決の当否について意見を述べます。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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他人の考え方を理解し、自分の考えを正確に表現できるようになるとともに、一つの問題について、多数の「正解」がありうることを理解すること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業への出席、討議への貢献度、期末レポートの総合評価
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:別冊ジュリスト『租税判例百選』(有斐閣)または、 金子宏・佐藤英明・増井良啓・渋谷雅弘『ケースブック租税法(第3版)』 参考文献:川田剛『租税法入門(七訂版)』(財団法人大蔵財務協会)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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あらかじめ、判例を読み込み、事実関係と争点をしっかり把握しておいてください。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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このゼミで学ぶ、租税法、会社法、会計学などの知識は、公務員をめざすひとはもちろんのこと、民間企業をめざすひとでも、ぜひとも身に着けておく必要があるものばかりです。 困難な局面にあって最終的に自分を助けてくれるのは、自分が日ごろから確実に身に着けた知識だけです。 そのためには、自分の考えや知識をほかの人に実際にぶつけてみて、鍛える必要があります。 したがって、ほかのどんな用事よりもゼミを優先し、議論に参加しましょう。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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(以下の判例は仮のものです。今後変更する可能性があります。) 【第1回】 オリエンテーション・・・ゼミの進め方、判例の読み方 【第2回】 判例説明・・・フリンジベネフィット(大阪高裁S53/3/31) 【第3回】 討議 【第4回】 判例説明・・・冒用登記(最高裁S48/4/26) 【第5回】 討議 【第6回】 判例説明・・・土地相続税8割評価(東京高裁H11/8/30) 【第7回】 討議 【第8回】 判例説明・・・ペット葬祭業(最高裁H20/9/12) 【第9回】 討議 【第10回】 判例説明・・・ネズミ講(福岡高裁H2/7/18) 【第11回】 討議 【第12回】 判例説明・・・NTTドコモ(最高裁H20/9/16) 【第13回】 討議 【第14回】 判例説明・・・荒井商事オートオークション(東京高裁H5/6/28) 【第15回】 討議
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