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授業の内容(Course Description) |
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同じ法といっても、憲法は普通の法律とは違う。法律はメリットとデメリットの付与を通じて直接一般人に対して強制的効力をもつ。法律の強制を、一般人で構成される社会は損得勘定か、法律がもつ道徳的規範性(民法における公序良俗、刑法における違法性・責任)のゆえに受け入れる。そして法律の学習では、専門性や実務との連結などが強調される。これに対して、憲法は政府を規制する法であるので、一般国民との関係では強制的効力がなく、「憲法上の権利」を日常生活のレベルで実感するのは難しい。憲法学の学習では、判例と実務を知ることはたしかに重要であるが、それ以上に、政治・社会の考察や思想・歴史など、憲法学以外の知識との連結が強調される。この演習は、憲法学の文献と憲法判例の会読を通じて、進学・資格試験に対応する知識と分析力の習得を目的とする。本年度に関しては、春学期は憲法に関連する論文・書籍の書評を、秋学期は憲法判例の紹介と評釈を行う予定である。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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憲法学の素養を培い、かつ、レジュメ・論文の書き方、議論・プレゼンのやり方を習得すること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席とプレゼンを総合的に評価する。場合によってはレポートの提出を求めることがある。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:ゼミの初回で決める。 参 考 書:芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法(第五版)』(岩波書店、2007年)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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まずは参考書を通読してください。 テキストについては、担当部分を精読し、中身と疑問点を要約してください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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演習である以上、出席して報告を担当し、議論に参加することが単位取得要件である。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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初回で書評の対象と担当者を決める。
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