Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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道徳の指導法 高橋  勝
選択  2単位
【教育】 12-1-1331-3239-10A

1. 授業の内容(Course Description)
 子どもの道徳性の発達を促す道徳教育は、人間形成の中核をなすものといえるが、道徳教育の全体を考えるには、学校だけでなく、家庭、地域、子どもの遊び集団等、社会的視野から考察する必要がある。この点をまず説明する。次に、学校において、道徳指導を行う場合には、子どもの学校生活全体が指導の対象となることを、事例を挙げて説明する。道徳の時間はもとより、特別活動、教科指導、総合的な学習の時間におても、各々に応じた道徳指導が行われていることを、事例をあげて詳しく説明する。その上で、道徳の時間における道徳的価値、指導内容、方法について、具体例を示しながら考察する。さらに、道徳授業であれ、学校生活の全体であれ、道徳の指導を行う上では、家庭、地域の協力が不可欠であり、地域人材をゲスト・ティーチャーとして活用し、指導効果の上がった事例を紹介する。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 子どもの道徳性の発達を促す道徳指導は、道徳の時間のみならず、学校生活の全体や家庭、地域における日常生活の中でも既に行われている事実をまず理解できる力を養う。次いで、学校生活の全体における道徳指導とはいかなるものかを、特別活動、教科指導における道徳指導のあり方を、事例を通して学修する。その上で、道徳時間において道徳指導を行う上でポイントを修得させる。その際に、子どもの実感を生かした指導を行うために、体験学習やゲスト・ティーチャーを導入した実践を行う力を養う。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席率を重視し、授業への参加度、レポート提出、試験等の結果を総合的に判断する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:高橋勝編著『道徳教育論』培風館、2011年
 参考書:高橋勝『情報・消費社会と子ども』明治図書、2006年
     高橋勝編著『子ども・若者の自己形成空間』東信堂、2011年
      〃   『教職用語辞典』一藝社、2008年
          『中学校学習指導要領解説、道徳編』2009年
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 新聞、雑誌、ニュース等にいつもアンテナを張って、現代の子ども、若者、大人の生き方や価値観の変化をキャッチできる鋭敏な感受性を磨いて下さい。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 毎回出席をとり、各授業の終わりに、今日の講義内容のポイントは何か、もっと知りたいこと、わからないことなどを尋ねたり、リアクションペーパーに書いてもらうので、積極的な参加意識をもって授業に取り組むこと。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 近代社会における道徳
  共同体中心の道徳から 個人中心の道徳へ
【第2回】
 自律意識と共生感覚
  諸集団をくぐり、様々な他者と出会う個人
【第3回】
 慣習道徳から反省的道徳へ
  制度化された道徳からリフレクションの市民道徳へ
【第4回】
 道徳性の発達理論
  デューイの反省的道徳
【第5回】
 道徳性の発達理論
  コールバーグの道徳性発達理論
【第6回】
 情報・消費社会と子ども
  増幅される自己愛
【第7回】
 道徳的ジレンマ状況と子ども
【第8回】
 協働する学級づくりと道徳指導
  個人と集団の関係
【第9回】
 道徳の時間の指導 1(構成原理)
【第10回】
 道徳の時間の指導 2(実践事例)
【第11回】
 道徳の時間の指導 3(指導案)
【第12回】
 体験学習による道徳指導
【第13回】
 ゲスト・ティーチャーによる道徳の時間
【第14回】
 学校と家庭、地域との連携による道徳指導
【第15回】
 まとめ