1. |
授業の内容(Course Description) |
|
人は、人とのつながりの中で生きる。その人と人とのあいだに様々な事象が立ち現れる中で、人は自分の生き方を選び、自らの人生を生きようとする。人間形成を支援する保育や教育、さらに人の自己決定を支える福祉の現場では、人と人のあいだをつなぐケアが極めて重要となる。 人と人とのあいだは、こどもと親、幼児と保育士、児童生徒と教師、友だちと友だち、障害児者と介助者、患者と医者、社員と上司、客と店員など様々であり、今保育や教育、福祉の現場では、医療や科学技術の進展、情報化に伴う社会の大きく急速な変化の中で、既存の法制度が想定をしてこなかった様々な課題が現実化し、それらの事象の中で人と人のあいだにケアが求められている。 本講義では、前半はケアの概念、様々な課題に直面した人々を支えるケアの本質を学び、その上で後半は、人と人とのあいだにおこる様々な課題からテーマを選択し、グループでの話題提供、メンバー同士での協議を通して当事者の観点から問題を捉え、問題への共感的理解としてのケアのあり方、ケアすることの意味について考える。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
ケアについての概念、本質を理解することができる。 人と人のあいだに起こる諸課題について、ケアをする観点から当事者の立場に立った問題意識をもつことができる。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
①受講態度 ②ロールプレイ・グループ協議への参加の状況 ③レポートなどを総合的に評価する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
田村真・向野宣之訳 ミルトン・メイヤロフ(1971)『ケアの本質 生きることの意味』ゆるみ出版
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
指定されたテキストを授業前に熟読すること
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
日常において新聞やニュースに注意を向け、人と人のあいだに起こる様々な事象を当事者の観点から捉える態度・習慣を養ってほしい。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 オリエンテーション ケアの概念について 【第2回】 他者の成長をたすけるケア 【第3回】 ケアの主要な特質 【第4回】 人をケアすることの特殊な側面 他の人をケアすることと自分自身へのケア 【第5回】 人生に意味を与えるケア 【第6回】 生きることとケア 【第7回】 ケアの実際 ロールプレイ① 【第8回】 ケアの実際 ロールプレイ② 【第9回】 ケアの実際 ロールプレイ③ 【第10回】 グループ協議 学校教育を巡る課題とケアを考える 【第11回】 グループ協議 家庭、親子を巡る課題とケアを考える 【第12回】 グループ協議 出生を巡る課題とケアを考える 【第13回】 グループ協議 死を巡る課題とケアを考える 【第14回】 グループ協議 老いとケアを考える 【第15回】 まとめ ケアすることの意味
|