1. |
授業の内容(Course Description) |
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今日、博物館学の存在と意義は社会および生涯教育の上でますます重要になってきている。その一方で、博物館はその運営や形態、目的の上で転換期を迎えていることは、博物館の内外で問題とされる点である。博物館本来の機能と目的を歴史的に再検証し、新しい「博物館」像を模索、実験しているのが現代である。本講では、その現代社会で求められる、あるいはあるべき「博物館」の姿を、経営論および情報論の観点から考察する。現代社会の変化に応じて、否応なく博物館が求められているのは第一にマネージメント、経営感覚であり、第二に博物館資料のデータベース化やインターネットの利用をはじめとする博物館の情報化である。博物館における経営論と情報論をそれぞれに考究しつつ、また総合的な見地から、それぞれを関係づけて論じたい。毎回、討論を求め、適宜小論文を課す。受講者は、自分の住む、または育った地域の観点から国際的な観点まで、さまざまな立場で、「博物館」を意識し、学習し、そして提言することが求められる。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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博物館の歴史と発展をふまえ、現状とその問題を分析しつつ、近未来の「博物館」の理想を、受講者ひとりずつが明確にもてるよう学ぶことを目的とする。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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学期末レポートを50%、授業中の課題提出、参加状況等を50%の割合で総合評価を行います
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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『近代美術の都モスクワ-トレチャコフ美術館とプーシキン美術館』(東洋書店)。さらに、講義の際にプリントを用意し、その他のテキスト及び参考書を指示する。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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博物館への調査、見学を課します。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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博物館学は、実際の社会および実際の博物館との関連が深い。したがって、社会に即応する学問であり、極めて高い社会参画意識が必要とされる。受講のためには生活態度を律し、自己責任を認識するのはもちろん、旺盛な学習意欲と自主性を前提とする。教科書の通読と博物館見学(10館、博物館学II既修者は5館、見学に支障のある受講者は必ず、履修登録前に教室で教員の説明を聞き、申し立てた上で指示を受けること。)は必修です。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ミュージアム・マネージメントの必要性 【第2回】 博物館ネットワークの必要性、博物館利用者論 【第3回】 博物館建築と機能(1) 【第4回】 博物館建築と機能(2) 【第5回】 博物館経営と情報 【第6回】 博物館評価 【第7回】 広報活動 【第8回】 アンケートの分析 【第9回】 ヴォランティア論 【第10回】 博物館教育の必要性(1) 【第11回】 博物館教育の必要性(2) 【第12回】 生涯教育と博物館 【第13回】 ミュージアム・グッズを考える 【第14回】 ホーム・ページの分析 【第15回】 博物館のサービスと地域社会
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