1. |
授業の内容(Course Description) |
|
世界各地で起っている紛争の多くは、歴史的にみると、一方での近代ヨーロッパにおける主権国家の成立とそれに伴う近代西洋国家体系と呼ばれる新たな国際関係様式の形成、他方におけるヨーロッパの非ヨーロッパ圏への膨張とその植民地化に端を発しているといえる。第一次大戦は、そうした近代西洋国家体系が破綻したことを示し、それへの反省の中で国際連盟がうまれたが、再び第二次大戦の惨禍を招いた。現在の国際連合は国際連盟の失敗から学んでうまれたが、紛争解決上は依然として大きな制約下にある。そこには大国の思惑が強く作用している。この授業では、以上のような現状の理解にたって、十八世紀から二十世紀にかけての国際関係の歴史を政治外交面に重点をおいて講義する。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
近現代世界における国際関係の歴史を、大国の政治外交政策、第一次および第二次大戦の意義、冷戦の成立とその影響、植民地独立運動などに焦点をあてて分析することで、世界各地で起っている事態の歴史的背景を理解するのに必要な、基礎的で系統的な知識を得ることをめざす。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
定期試験(80%)。期末試験の欠席者は0点の評価となるので注意すること。 平常点(20%)。毎回の講義の出欠状況を平常点の評価に反映させる。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
岡義武『国際政治史』(岩波現代文庫版)を教科書として使用する。 他の参考文献は、必要に応じて講義であげる。
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
授業のおりに、上記の教科書の該当箇所以外に、各回の講義内容と密接に関連する研究書の章や節、雑誌論文などを指示するので、予習復習する際に必ず参照すること。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
遅刻しないこと。私語しないこと。 質問の機会を与えるので、講義で分からないことは、遠慮なく質問すること。 週に一度講義を聴いてノートをとるだけでは、十分な理解に達することは難しい。知識を真に身につけるためにも予習復習を欠かさないようにして欲しい。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 講義の趣旨説明 【第2回】 主権国家の成立 【第3回】 近代西洋国家体系の成立 【第4回】 フランス革命とナポレオン 【第5回】 ウイーン体制の成立と運命 【第6回】 パクス・ブリタニカ 【第7回】 帝国主義の時代 【第8回】 帝国主義的対立の展開 【第9回】 第一次世界戦争 【第10回】 ヴェルサイユ体制の誕生 【第11回】 新たな国際的対立 【第12回】 第二次世界戦争 【第13回】 戦後政治の構造 【第14回】 冷戦とその終焉 【第15回】 まとめ
|