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授業の内容(Course Description) |
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ジャーナリズムとは、一般的に「事件・出来事の報道・解説・論評を行う活動」と定義され、マス・メディアはその重要な担い手であると考えられている。このようなマス・メディアのジャーナリズム活動に関して、規範的な観点からどのような議論が行われてきたのだろうか。人々は、ジャーナリズム活動に何を求め、またどのような問題をそこに見出してきたのか。具体的な事例の解説を交えつつ、ジャーナリズムに関する規範的議論の系譜の基本を押えていく予定である。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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ジャーナリズムに関する規範的議論の系譜を把握し、現代社会のジャーナリズム活動を規範的に議論できるようにすること。その際、印象論的な「マスコミ批判」を脱却する視点を何らかの形で身に付けること。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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基本的には期末試験の点数をもとに評価を行う。また、適宜実施する課題レポートの評価も考慮する。なお出席良好者に対しては、「若干」の配慮をすることもある。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考文献 大石裕(2011)『コミュニケーション研究 第3版』慶應義塾大学出版会 D.マクウェール著、大石裕監訳(2005=2010)『マス・コミュニケーション研究』慶應義塾大学出版会 F.S.シーバート、T.A.ピースタン、W.シュラム著、内川芳美訳(1956=1965)『マス・コミの自由に関する四理論』東京創元新社
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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講義中に指定する課題図書の精読、および読書レポートの作成。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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日常的にニュースに接しておくこと(メディアの種類は問わない)。なお、講義中に他者の権利を侵害したとみなされる学生に対しては退出を命じることがあるので注意すること。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 導入:基本概念(マス・メディア、マス・コミュニケーション、ジャーナリズム、ニュース)について 【第2回】 語られる「ジャーナリズム」:期待が(過剰に)込められた規範的語りに何を見出すことができるか 【第3回】 意思決定と情報(1):「民主主義」という概念から見えてくるジャーナリズム論の関連領域 【第4回】 意思決定と情報(2):人間社会における政治活動とジャーナリズム活動の関係 【第5回】 ジャーナリズムの自由と責任(1):ジャーナリズムへの古典的な規範的議論としての『四理論』 【第6回】 新聞ジャーナリズムの現状:時事問題に関する解説、および課題レポート講評(予定) 【第7回】 ジャーナリズムの自由と責任(2):【第5回】の続き 【第8回】 ニュースに要求される社会的責任(1):『四理論』における自由主義理論から社会的責任理論への転換 【第9回】 ニュースに共有される社会的責任(2):『四理論』を超える試みの解説 【第10回】 ジャーナリズムと「公共圏」(1):民主主義における「理想的なコミュニケーション状況」とは何か? 【第11回】 ジャーナリズムと「公共圏」(2):理想と現実の格差 【第12回】 ジャーナリズムの「偏向」と客観性:様々な「偏向」 【第13回】 客観報道主義とその限界:認識における客観性 【第14回】 ジャーナリズム批判を超えて:多次元的な権力概念から見る「ジャーナリズムの権力」 【第15回】 総括:まとめ
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