Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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犯罪心理基礎論 井上 恭男
選択  2単位
【教育文化】 12-1-1360-3270-10A

1. 授業の内容(Course Description)
 犯罪心理学は、犯罪や非行(反社会的行為)を取り上げた学問で、犯罪学の一分野として出発したが、心理学の発展と共に、現在では応用心理学の一分野になっている。そして、犯罪と直接関わる諸機関の要請に応えて、警察等の犯罪捜査の分野、裁判所関係の分野、矯正・保護の分野などで、犯罪原因の探求や犯罪者理解に主眼をおいた研究が多くなされてきている。
 この犯罪心理基礎論では、そうした犯罪心理学そのものよりも、犯罪心理学を学ぶために必要な基礎的な知識を取り上げて紹介することに主眼を置きたい。したがって、犯罪に関わる科学的研究の歴史的展開、各種理論、犯罪統計の見方、犯罪者・非行少年の処遇など、犯罪に関わる様々な分野から話題を取り上げ解説していきたい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 犯罪や非行を客観的に理解する基礎的な知識を学び、偏見を持たずに犯罪や非行を理解することができるようになる。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 定期試験80%、授業参加状況20%とする。
 試験答案の評価については、単なる知識の程度ではなく、講義で得た知識をもとに、犯罪や犯罪者についての理解をどの程度深めているかに重点を置く。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 参考文献:藤岡淳子 編『犯罪・非行の心理学』有斐閣
 必要に応じて、資料等をコピーして配布する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 日常的に犯罪や非行に関する報道がされているので、興味関心を持って、犯罪者の動機や犯罪に至るメカニズムなどを考えてみること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 心理的メカニズムや心理検査等の用語が授業の中に出てくるので、受講を希望する者は、少なくとも教養程度の心理学の単位を取得していること。したがって、1年生の受講は遠慮されたい。また、後期の「各種犯罪者の心理」の受講を希望する場合は、この基礎論の単位を取得すること。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 犯罪・非行の定義と各種犯罪
【第2回】
 現代日本の犯罪動向
【第3回】
 犯罪・非行理論 1(先駆的犯罪観)
【第4回】
 犯罪・非行理論 2(社会文化的要因)
【第5回】
 犯罪・非行理論 3(個体要因1)
【第6回】
 犯罪・非行理論 4(個体要因2)
【第7回】
 犯罪統計の見方と研究法
【第8回】
 犯罪の国際比較と文化差
【第9回】
 犯罪・非行者に対する個別的査定
【第10回】
 少年非行 1(現状と非行原因)
【第11回】
 少年非行 2(処遇と回復)
【第12回】
 犯罪者の処遇 1(施設内処遇)
【第13回】
 犯罪者の処遇 2(社会内処遇)
【第14回】
 犯罪と精神障害
【第15回】
 犯罪心理学の社会的役割