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授業の内容(Course Description) |
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【働く人々の安全と健康を守るための社会の仕組み】 働く人々(労働者)が仕事中に「けが」をする、仕事が原因で「病気」に罹ることを「労働災害」といいます。 現在、わが国では、毎年、1000人以上の労働者が労働災害により尊い命を失っています。また、55万人を超える労働者が労働災害を被っています。 労働災害は、被災した労働者やその家族にとって極めて悲惨なことですし、災害の起こった事業場や社会全体にとっても大きな損失です。この労働災害の防止は誰もが望むことです。 最近では、労働災害を防止することに留まらず、さらに進んで、より働きやすい職場環境を形成することも求められています。 この講義では、労働災害の発生を防止し、さらに進んで快適な職場環境を形成するための法令上の決まり(労働安全衛生関係法令)と企業における取り組みについて理解することとしています。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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労働災害を防止するための法令上の体系と事業者、労働者、その他の関係者の責務のあらましについて理解する。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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基本的には定期試験により評価することとしていますが、授業への出席状況も考慮します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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『労働安全衛生関係法令集』((株)労務行政 刊)、『安全衛生法令要覧』(中央労働災害防止協会 刊)等の法令集を持つことが望ましいが、必要な法令はインターネットからも取れます。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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テレビ、新聞等に報道される 産業災害 に関する記事に注意する。授業の中でも取り上げたいと考えています。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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労働災害の防止は、労働者の生命・健康に関わる問題であるから、労働時間、休日、賃金等の一般労働条件とともに基本的労働条件であることを理解し、将来の自分自身に大きく関わる問題として勉強してほしい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション(授業の目的と内容、授業の進め方等) 労働災害の現状 【第2回】 労働安全衛生法の制定と改正の経緯 労働安全衛生法の目的、用語の定義、事業者の責務、労働者の協力、適用範囲等 【第3回】 労働災害防止計画(労働災害防止に関する総合的・計画的な対策を図るために5年ごとに厚生労働大臣が策定・公表する国の労働安全衛生政策の基本) 【第4回】 安全衛生管理体制(1)企業の安全衛生活動を確立させ、的確に促進するために企業内に設けるべき組織 【第5回】 安全衛生管理体制(2)建設業・造船業等重層下請け関係にある作業現場における安全衛生管理組織 【第6回】 危険又は健康障害を防止するための措置の概要(労働災害防止の基本となる危害防止基準:①事業者の講ずべき措置、②厚生労働大臣による技術上の指針の公表、③元方事業者・注文者・機械等貸与者・建築物貸与者の講ずべき措置、④重量物の重量表示 など) 【第7回】 機械等に関する規制(機械・器具・その他の設備による危険から労働災害を防止するための仕組み:①製造・流通段階における規制、②使用段階における定期自主検査 など) 【第8回】 危険物及び有害物に関する規制(化学物質による危害を防止するための仕組み:①製造等の禁止、②製造の許可、③危険・有害性の表示、④危険・有害性情報の通知、⑤化学物質の有害性調査 など) 【第9回】 労働者の就業に当たっての措置(安全衛生教育・就業制限) 【第10回】 作業環境管理(作業環境測定の実施、その結果の評価、評価の結果に基づく作業環境管理)・作業管理(作業方法の改善による危害の防止) 【第11回】 健康管理(健康診断の実施、その結果に基づく適正な事後措置、面接指導 など)・健康の保持増進 【第12回】 快適職場の形成 【第13回】 安全衛生改善計画、計画の届出 法施行のための行政機関の権限 罰則 など 【第14回】 労働安全衛生法に基づく関係政省令のうちの主なもの 【第15回】 作業環境測定法、じん肺法等の労働安全衛生関係法令のあらまし
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