Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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歴史考古学研究 I 萩原 三雄
選択  2単位
【史】 12-1-3083-1938-06A

1. 授業の内容(Course Description)
 歴史考古学は、モノを通して歴史を明らかにする考古学のうちで、文字史料や絵画資料が十分に存在する時代を対象とする学問である。文献史学などによって構築されてきたこれまでの歴史像に対し、文字などにあらわれない世界を考古学的方法によって明らかにし、より豊かな社会像を描きだすことを目的の一つにしている。
 この講義では、歴史考古学が提唱されてからすでに半世紀以上が経ち、研究成果の蓄積が進み、豊かな学問領域として確立してきたこの分野の特質と基本的な枠組みを理解するとともに、とくに中世社会を研究素材として、自ら考え研究が行える能力を養う。また、歴史考古学の特性である学際性を身につけるとともに、多様な資史料に目配りができ、幅広い思考力を養えるよう指導する。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 この講義では歴史考古学研究にとって必要な視野の広さと、鋭い洞察力、さまざまな資史料を駆使できる柔軟な能力を習得する。また、中世考古学のなかから個別の事例をとりあげ、問題点や課題の整理、分析の手法などを学びとることを目標とする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席状況(40%)と期末に課すレポ-ト(60%)で評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 授業時に随時紹介する。原則として、毎回プリントを配布する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 歴史考古学に関する書籍が多数出版されているので、できる限り目を通すこと。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 平素から、歴史考古学だけでなく、考古学全般、及び日本史に関する学習を心がけること。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ガイダンス、歴史考古学とは
【第2回】
 歴史考古学の学史の検討
【第3回】
 中世考古学の諸問題①
  考古学と学際研究の意義と課題
【第4回】
 中世考古学の諸問題②
  考古学と文献史学のはざま
【第5回】
 中世考古学の諸問題③
  土木考古学とその視点
【第6回】
 中世城郭の考古学的研究①
  考古学と文献史学、縄張研究の再検討
【第7回】
 中世城郭の考古学的研究②
  築城史と築城技術
【第8回】
 中世城郭の考古学的研究③
  小規模城郭論
【第9回】
 織豊城郭の研究
【第10回】
 鉱山考古学①
  鉱山遺跡に関する学史と研究の現状
【第11回】
 鉱山考古学②
  鉱山考古学の研究法
【第12回】
 鉱山考古学③
  鉱山技術の検討
【第13回】
 鉱山考古学の事例研究①
【第14回】
 鉱山考古学の事例研究②
【第15回】
 まとめ