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授業の内容(Course Description) |
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「映画は時代の鏡である」「時代が映画を作り、映画が時代を作る」などと言われるように、20世紀に新しい総合表現として登場した映画は、時代の風俗・風潮・嗜好・価値観・変転などと密接に関わりながら作り続けられてきた。各時代の映画を時系列的に観賞しながら、改めて20世紀はいかなる100年だったかを検証し、これからの21世紀の100年がどこへ行こうとしているのかを探っていく。その考察を、前期は欧米映画を中心に進めたい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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映画鑑賞を通して、映画と時代の関わりを把握し、且つ、映画の価値や愉しさを知る。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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授業中に出題する数回のレポートと出席率による評価。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考文献:佐藤忠男『日本映画史1~4』岩浪書店 佐藤忠男『日本映画の巨匠たちⅠ~Ⅲ』学陽書房 今村昌平・佐藤忠男他編集『講座日本映画1~8』岩浪書店 四方田犬彦『日本映画史100年』集英社新書 藤森益弘『ロードショーが待ち遠しい』文藝春秋
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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講義概要に挙げた映画作品や監督の他の作品を、講義前に出来るだけチェックしておいてほしい。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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授業中には、映画の抜粋シーンしか観れないので、授業後には、それらの映画や監督の他の映画なども、全編を通して観ててほしい。 後期に開講する「人間文化Ⅳ(映画)」も履修してもらうのが望ましい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 1910年代 ハリウッドの誕生ー映画はいかに産業になっていったか。 (『国民の創生』『イントレランス』などを観ながら) 【第2回】 1920年代① 喜劇の王様たちー映画はなぜ娯楽のしゅやくになっていったのか。 (『モダン・タイムス』『キートンの大列車強盗』『ロイドの要心無用』などを観ながら) 【第3回】 1920年代② ドイツ映画トヨーロッパ―映画はどのように世界的になったのか。 (『カリガリ博士』『メトロポリス』などを観ながら) 【第4回】 1920年代③ トーキーとミュージカル―映画はなぜ歌と踊りで盛り上がっていったのか。 (『ジャズ・シンガー』『嘆きに天使』などを観ながら) 【第5回】 1930年代 フランス映画の耀き―フランスでなぜ映画が花盛りになっていったのか。 (『巴里祭』『女だけの都』『望郷』などを観ながら) 【第6回】 1940年代① 西部劇のヒーローたち―映画の中でなぜ銃が火を吹くのか。 (『駅馬車』『荒野の決闘』『真昼の決闘』などを観ながら) 【第7回】 1940年代② 第二次大戦と映画―映画は戦争とどう関わっていったのか。 (『チャップリンの独裁者』『硫黄島の砂』『無防備都市』などを観ながら) 【第8回】 1950年代① ヒッチコックの恐怖―彼はどのようにしてミステリー映画の王様になったのか。 (『裏窓』『北北西に進路を取れ』『サイコ』などを観ながら) 【第9回】 1950年代② 絢爛と官能の饗宴―イタリア映画はなぜ多彩になれたのか。 (『81/2』『ベニスに死す』『欲望』などを観ながら) 【第10回】 1960年代① ヌーヴェブ・ヴァーグ―若者たちは映画の何に異議申し立てをしたのか。 (『死刑台のエレベーター』『大人はわかってくれない』『勝手にしやがれ』などを観ながら) 【第11回】 1960年代② アメリカン・ニュー・シネマ―アメリカ映画がなぜ蘇生できたのか。 (『俺たちに明日はない』『イージー・ライダー』『2001年宇宙の旅』などを観ながら) 【第12回】 1970年代 東欧・北欧映画の巨匠たち―映画が政治や社会といかに対峙していったのか。 (『旅芸人の記録』『木靴の樹』『大理石の男』などを観ながら) 【第13回】 1980年代① ベトナム戦争と映画―アメリカ映画はベトナム戦争をどう総括したのか。 (『地獄の黙示録』『プラトーン』『フルメタル・ジャケット』などを観ながら) 【第14回】 1980年代② 次代の俊英たち―映画はどう受け継がれていったのか。 (『ダーティハリー4』『E.T.』『スターウォーズ』などを観ながら) 【第15回】 1990年代 大作、SFX、3D―21世紀の映画はどこへ行くのか。 (『ジェラシック・パーク』『タイタニック』『アバター』などを観ながら)
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