Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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社会情報1- II 藤森 益弘
選択  2単位
【現代ビジ】 12-2-2110-3086-10A

1. 授業の内容(Course Description)
 「映画は時代の鏡である」「時代が映画を作り、映画が時代を作る」などと言われるように、20世紀に新しい総合表現として登場した映画は、時代の風俗・風潮・嗜好・価値観・変転などと密接に関わりながら作り続けられてきた。各時代の映画を時系列的に観賞しながら、改めて20世紀はいかなる100年だったかを検証し、これからの21世紀の100年がどこへ行こうとしているのかを探っていく。その考察を、後期は日本・アジア映画を中心に進めたい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 映画鑑賞を通して、映画と時代の関わりを把握し、且つ、映画の価値や愉しさを知る。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 授業中に出題する数回のレポートと出席率による評価。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 参考文献:佐藤忠男『日本映画史1~4』岩浪書店
      佐藤忠男『日本映画の巨匠たちⅠ~Ⅲ』学陽書房
      今村昌平・佐藤忠男他編集『講座日本映画1~8』岩浪書店
      四方田犬彦『日本映画史100年』集英社新書
      藤森益弘『ロードショーが待ち遠しい』文藝春秋
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 講義概要に挙げた映画作品や監督の他の作品を、講義前に出来るだけチェックしておいてほしい。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 授業中には、映画の抜粋シーンしか観れないので、授業後には、それらの映画や監督の他の映画なども、全編を通して観ててほしい。
 前期に開講する「人間文化Ⅲ(映画)」も履修してもらうのが望ましい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 大正時代  弁士と無声映画の興隆―日本人はいかに映画に魅せられていったか。
      (『雄呂血』『逆流』などを観ながら)
【第2回】
 昭和時代初頭 無声映画からトーキーへ―時代劇、小市民映画、メロドラマがいかに汗と涙を誘ったか。
        (『浪人街』『大学は出たけれど』『瀧の白糸』などを観ながら)
【第3回】
 昭和10年代① 戦前名作群の出現―映画に人々は何を夢見たか。
        (『赤西牡蠣太』『人情紙風船』『風の中の子供』などを観ながら)
【第4回】
 昭和10年代② 戦時下の日本映画―映画がいかに戦争に協力していったか。
        (『土と兵隊』『ハワイ・マレー沖海戦』『陸軍』などを観ながら)
【第5回】
 昭和20年代① 戦後の復興と映画―人々は映画と共にいかに立ち直っていったか。
        (『わが青春に悔なし』『羅生門』『二十四の瞳』などを観ながら)
【第6回】
 昭和20年代② 戦後映画の巨匠たち―日本映画がいかに世界に認められたか。
        (『東京物語』『雨月物語』『七人の侍』『浮雲』などを観ながら)
【第7回】
 昭和30年代 日本のヌーヴェル・ヴァーグ―若手監督たちはなぜ松竹を出ていったのか。
        (『日本の夜と霧』『乾いた湖』『ろくでなし』などを観ながら)
【第8回】
 昭和40年代① 若者たちの叛乱と任侠映画―スクリーンに向かってなぜ「異義ナシ!と 叫んだのか。
        (『昭和残侠伝』『網走番外地』『緋牡丹博徒』などを観ながら)
【第9回】
 昭和40年代② 独立プロとATG―自分たちの作りたい映画をどのように作っていったのか。
        (『裸の島』『砂の女』『絞死刑』(エロス+虐殺』などを観ながら)
【第10回】
 昭和50年代 エロスと赤ちょうちんと寅さん―ロマンポルノと青春映画と喜劇がいかに両立していたか。
       (『天使のはらわた』『赤ちょうちん』『男はつらいよ』などを観ながら)
【第11回】
 昭和60年代 漫画とアニメーション―映画の観客は誰が主役になっていったのか。
       (『ドラえもん』『となりのトトロ』『火垂るの墓』などを観ながら)
【第12回】
 平成時代① 日本映画の新しい風―異色監督がどうして出てきたのか。
       (『その男、凶暴につき』『ミンボーの女』などを観ながら)
【第13回】
       中国・台湾・韓国映画の魅力―隣国の映画に日本映画はどんな影響を受けているのか。①
       (『紅いコーリャン』『黄色い大地』『グリーン・デスティニー』などを観ながら)
【第14回】
       中国・台湾・韓国映画の魅力―隣国の映画に日本映画はどんな影響を受けているのか。②
       (『燃えよドラゴン』『非情城市』『シュリ』などを観ながら)
【第15回】
       インド・ベトナム・イラン映画の魅力―アジア映画から何を学ぶのか。
       (『スラムドッグ・ミリオネア』『ノルウェイの森』『桜桃の味』などを観ながら)