Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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現代イギリス言語文化研究B 水越 あゆみ
選択  2単位
【米英言語文化専攻】 12-1-1410-0505-18A

1. 授業の内容(Course Description)
 18世紀後半のヨーロッパで生まれた「個人」「自己」「自然」「国民」「国家」「文学」「文学史」等の近代的概念は、グローバルな規模で近代化運動の拡大した19世紀後半という時代に、明治日本においてどのように受容されたのか。本特論では、明治浪漫主義を代表する北村透谷、島崎藤村、与謝野晶子などの作品の読解を通して、ヨーロッパ(特にイギリス)のロマンティシズムが日本独自の「浪漫主義」思潮として変容するプロセスを探究する。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 ヨーロッパ・ロマン主義と明治浪漫主義の比較文学的研究を通じて日本の近代文学成立の過程を理解することが、この授業の目標です。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 毎回の授業参加40%、レポート60%で評価します。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 参考書:Stephen Prickett, ed. 『European Romanticism: A Reader』(London: Continuum, 2010)
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 授業内では主として英文資料を用いるので、日本語による研究書は各自で参照のこと。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 英和辞典(大辞典が望ましい)、英英辞典、各種文学事典、百科事典を常に参照すること。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション:浪漫主義とは何か。
【第2回】
 浪漫主義と「個人」「自己」。
【第3回】
 浪漫主義と「国民」「国家」「国民文学」。
【第4回】
 浪漫主義と「文学史」。
【第5回】
 浪漫主義と「自然」。
【第6回】
 前期浪漫主義:北村透谷。
【第7回】
 北村透谷とバイロン。
【第8回】
 北村透谷とエマソン。
【第9回】
 前期浪漫主義:島崎藤村。
【第10回】
 島崎藤村とワーズワース。
【第11回】
 前期浪漫主義:「文学界」同人。
【第12回】
 後期浪漫主義:和歌の近代化。
【第13回】
 後期浪漫主義:与謝野晶子。
【第14回】
 『みだれ髪』とヨーロッパ芸術・文学。
【第15回】
 まとめとテスト。