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授業の内容(Course Description) |
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現在我々が目にするスポーツの多くは正確には「近代スポーツ」と呼び、18世紀から20世紀にかけて主に欧米で形成されたものである。我が国では明治以後欧米から様々なスポーツが輸入されてくるが、本格的なスポーツの発展は第二次大戦後であり、スポーツという言葉も戦後普及した言葉である。しかし欧米にしろ日本にしろ、近代にスポーツが成立する以前からその原型となる身体運動文化は多様な形で存在しており、スポーツ人類学では、それら近代以前の身体運動文化がいかに発生、発展し、いかにしてスポーツへと進化していったのかについて講義を展開してゆく。 また、スポーツ人類学は文化人類学の一領域であり、我が国で組織化されたのは最近のことであり、現在ダイナミックに進化発展の途上にある。本講義では最新の研究成果を紹介するとともに、文化人類学的視点からスポーツを捉え、スポーツに対する視野を広げ、文化としてのスポーツの本質を理解することを目指してゆく。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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①現代のスポーツのルーツを知る。 ②文化としてのスポーツを理解する。 ③歴史、民族、宗教、戦争など社会的要因とスポーツのつながりを理解する。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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①出席点、態度点50%:原則として総授業時間数の80%以上の出席が必要。 ②小レポート点20%:毎時間小レポートを提出し、それを評価する。 ③テスト点30%:期末試験の結果を評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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授業内で指示する。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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①歴史に関する情報を普段から収集しておくこと。 ②自分の専門とする種目や好きなスポーツの起源について調べておくこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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①欠席をしないこと。 ②授業マナーを守ること。 ③問題意識を持って主体的に取り組むこと。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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第一回 授業ガイダンス 第二回 近代におけるスポーツの成立:スポーツの語源とスポーツの定義 第三回 先史時代における身体運動文化:様々なスポーツの原初形態と起源 第四回 古代ギリシァの祭礼競技:古代オリンピックとその文化的背景 第五回 スポーツ文化Ⅰ:技術とルール・プレースタイル 第六回 スポーツと文化Ⅱ:社会的象徴としてのスポーツ 第七回 スポーツと文化Ⅲ:ジェンダーとスポーツ 第八回 欧米のスポーツ文化の形成過程:キリスト教と民族主義の狭間で 第九回 日本のスポーツ文化の形成過程:武士道精神の形成と縦社会の力学 第十回 フットボールの人類学:フットボールの起源とその進化 第十一回 野球の人類学:野球の起源とその進化 第十二回 テニスの人類学:テニスの起源とその進化 第十三回 スポーツと人類:世界の様々な未開民族の身体運動文化とその社会文化的意味 第十四回 スポーツ文化のグローバリゼーション:伝統的身体運動文化とスポーツグローバリゼーションの相克 第十五回 まとめ 授業内試験
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