Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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教育実践リフレクション III 鈴木 博子
必修  2単位
【教職大学院】 12-1-1331-0729-03A

1. 授業の内容(Course Description)
 授業は、少人数グループ編成のもと、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 プロセスレコード、ALACTモデル、授業記録の3つのリフレクションの手法を取り上げ、その意義や手法について理解を深めるとともに、教育実習の進行に合わせて実際のリフレクションに取り組む。
 リフレクションを通じて、児童生徒の学びの様態や学習成果と自己の指導行為との関係を考えさせたり、分析させたりして、児童生徒理解と、指導・評価の在り方についての理解を深め、実践力向上に資するようにする。
 また、学習の成果が、教育実習に反映できるように、実践記録の取り方や実習ノートとの関連を図りながら進めていく。なお、必要に応じて、ワークショップ、模擬授業も取り入れていく。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 <A類学生>
 ・リフレクションの意義・手法を理解し、それを生かして自己の教育実習における実践場面をリフレクションし、実践力を向上させていくことができる。
 <B類学生>
 ・リフレクションの意義・手法を理解し、これまでの自己の実践をリフレクションし、実践力や課題探求力を向上させるとともに、A類学生のリフレクションについて指導助言することができる。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 リフレクションの実際、レポート、グループワーク等を参考にして総合的に評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト
  特定のテキストは使用しない。
 参考書
  ・秋田喜代美「教師教育における「省察」概念の展開―反省的実践家を育てる教師教育をめぐって」(佐藤学・藤田英典他編『教育学年報5 教育と市場』世織書房1996)
  ・F・コルトハーヘン『教師教育学』(学文社2010)
  ・臨床教育人間学会『リフレクション』(東信社2007)
  ・日本教育方法学会編『日本の授業研究』上・下巻 学文社 2009
 など、授業で必要に応じて紹介する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 各自の教育実践、教育実習に対するリフレクションの記録を実習ノート等に、継続的に記録すること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 リフレクションの意義や手法を、理論と実践から理解し、省察的な教師を目指すことを期待する。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 求められる教師像と教師の役割
  ・自己の学びの原風景(小学校から高校までの経験)を振り返り、自分はどのような教師像を理想としているか明らかにしつつ、教師の役割についてディスカッションする。
  ・A類学生は、自分の学生時代の経験を中心に、どのような教師を目指したいかを考察する。
  ・B類学生は、自分の教員としての経験にも触れながら、理想の教師像をどのようにイメージし、どのように教育実践に取り組んできたかを振り返り、認識を深める。
【第2回】
 リフレクションの意義(講義)
  リフレクションとはなにか。その意義、手法等について理解を深める。
【第3回】
 子どもの学びとリフレクション
  ・子どもが学ぶとはどういうことか。また子どもの学びを支援するとはどういうことか。教育実習等における具体的場面を取り上げ、省察する。
【第4回】
 教育環境とリフレクション
  ・子どもたち一人一人の成長にとって、教育環境(学級集団、教室環境等)とはどういう意味を持つのか。実習における具体的な場面を取り上げ、省察する。
【第5回】
 教師の言葉・ふるまいとリフレクション
  ・子どもの成長や学習にとって、教師の言葉(発問を含む)やふるまいは重要である。子どもの自己肯定感と教師の言葉・ふるまいとの関係を考える。
【第6回】
 教育実習リフレクション
  ・これまでの教育実習について実習ノートをもとにリフレクションし、自己の課題や探求すべき課題を明らかにする。特に、B類学生及び課題研究を行う学生は、究明したい課題やその方法を明らかにする。
【第7回】
 リフレクションの方法を学ぶⅠ
  プロセスレコードによるリフレクションを理解し、その手法を身につける。
【第8回】
 リフレクションの実際①
  ・プロセスレコードを活用して、教育実習をリフレクションし、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
  ・B類学生は、メンターとしての役割も果たせるよう、A類学生のリフレクションについて指導助言を行い、その能力を高める。
【第9回】
 リフレクションの方法を学ぶⅡ
  ALACTモデルによるリフレクションを理解し、その方法を身につける。
【第10回】
 リフレクションの実際①
  ALACTモデルを活用して、教育実習をリフレクションし、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
【第11回】
 リフレクションの実際②
  ALACTモデルを活用して、教育実習をリフレクションし、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
【第12回】
 リフレクションの方法を学ぶⅢ
  授業記録の作成・分析及び実習ノートを活用した日常的なリフレクションを理解し、その手法を身につける。
  B類学生及び課題研究を行う学生は、エスノグラフィやディスコース分析等の手法を理解する。
【第13回】
 リフレクションの実際①
  A類学生は、実習で行った授業実践の記録、実習ノートを活用したリフレクションを行い、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
  B類学生及び課題研究を行う学生は、自己の探求課題に基づく記録の分析等に取り組む。
【第14回】
 リフレクションの実際②
  A類学生は、実習で行った授業実践の記録、実習ノートを活用したリフレクションを行い、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
  B類学生及び課題研究を行う学生は、自己の探求課題に基づく記録の分析等に取り組む。
【第15回】
 まとめ
  リフレクションを通じて得られた自己の課題・成果及びリフレクションの効果的な手法についてまとめ、報告する。