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授業の内容(Course Description) |
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中国は長い歴史を持っています。その中でも、秦の始皇帝が中国を統一し皇帝を称してから(前221年)、清の最後の皇帝である溥儀が退位するまで(1912年)のおよそ2000年間、ひとり皇帝が支配する帝制がとられてきました。そこでの法制度は、我々が日頃学んでいる現代日本の法制度とは驚くほどに異なっています。社会が異なれば法も異なるというよい例であると思います。この講義では、このような現代の日本とは時間的にも空間的にもかけ離れた帝制中国の法制度を学びますが、それによって、比較法的視野を養い、現代日本の法制度を深く理解する手掛かりとなると思います。 帝制時代の「法」の世界には、大きく分けると、刑事的な「国法」の世界と民事的な「私約」の世界とがあります。秋期の「東洋法制史Ⅱ」では、民事的な法的仕組みについて、特に家族法、財産法の分野を取り上げて講義します。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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旧中国の「家」のあり方、「所有」のあり方、民事的な紛争解決のあり方について、何故そのような仕組みとなっているのか、その背景も含めて理解することが目標となっています。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業内テストによって評価します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは使用しません。必要に応じて資料を配付します。 参考文献は随時指示しますが、主要なものとして次のものを挙げておきます。 ・滋賀秀三『中国家族法の原理』 ・滋賀秀三『続・清代中国の法と裁判』
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業での配布物・ノートを繰り返し読み、次回の授業に備えること。 参考書として指示した文献を読むこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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おそらく、耳慣れない用語・概念が頻出することと思います。随時解説しますが、受講者のほうでも一方的に解説を聴くだけではなく、抱いた疑問点をそのままにせずに、積極的に質問し、講義に参加してください。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス――授業の進め方 【第2回】 家:同居共財と家産分割 【第3回】 家:父と子 【第4回】 家:母と妻と娘 【第5回】 家:親属の範囲 【第6回】 家:旧中国における「家」 【第7回】 財産:土地の売買① 【第8回】 財産:土地の売買② 【第9回】 財産:租佃契約(地主・小作の法律関係)① 【第10回】 財産:租佃契約(地主・小作の法律関係)② 【第11回】 財産:「所有」の概念 【第12回】 紛争の解決:紛争解決の主体 【第13回】 紛争の解決:紛争解決の具体的な流れ 【第14回】 紛争の解決:裁判の蒸し返しと上控 【第15回】 まとめ
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