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授業の内容(Course Description) |
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日本は、明治時代に入って、西洋型近代法に範をとって法制度を整え、近代国家を形成しました。しかし、だからといって、それ以前にまったく法制度がなかったわけではなく、日本の「固有法」の世界が確かにそこには存在していました。 西洋法継受によって固有法の世界と明治期以降の法制度が完全に断絶したわけではありません。固有法が明治期以降も意識的に残されていることがありますし、他面、意識するとしないとにかかわらず、法制度を運用する中で固有法の影響がにじみ出ることがあります。つまり、西洋法継受は固有法を前提にしていたということができます。したがって、現代の法制度を深く理解するためには、その前提として存在している固有法の世界が一体如何なるものであったのか、また明治期において、どのように固有法の世界に西洋型近代法が導入され、法制度が整備されていったのか、理解する必要があるでしょう。 秋期の「日本法制史Ⅱ」では、明治期の西洋法継受及び法制度の整備について概観します。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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明治期以降の法制度の整備について、その背景を含め、理解することが目標となります。現行の法制度に直接結びつく法制度改革になりますので、現行法をより深く理解する一つの手掛かりとしてください。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業内テストによって評価します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは使用しません。必要に応じてプリントを配布します。 参考文献は講義の中で随時指示しますが、主要なものは以下の通りです。 ・牧英正・藤原明久編『日本法制史』(青林書院、1993年) ・浅古弘ほか編『日本法制史』(青林書院、2010年) ・水林彪ほか編『法社会史』(新体系日本史2、山川出版社、2001年)
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業での配布物・ノートを繰り返し読み、次回の授業に備えること。 参考書として指示した文献を読むこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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興味関心を持って授業に臨むようにしてください。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス――授業の進め方 【第2回】 中央集権的国家機構の整備(1) 【第3回】 中央集権的国家機構の整備(2) 【第4回】 立憲制の模索 【第5回】 明治憲法の成立(1) 【第6回】 明治憲法の成立(2) 【第7回】 司法制度の整備(1) 【第8回】 司法制度の整備(2) 【第9回】 司法制度の整備(3) 【第10回】 明治13年刑法(旧刑法)の制定(1) 【第11回】 明治13年刑法(旧刑法)の制定(2) 【第12回】 明治民法の成立(1) 【第13回】 明治民法の成立(2) 【第14回】 明治民法の成立(3) 【第15回】 まとめ
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