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授業の内容(Course Description) |
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授業は、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。 小・中・高等学校、特別支援学校の学習指導要領を教科横断・系統的に理解し、学校教育全体の中で教科・領域などの教育内容を俯瞰し、地域・学校・児童生徒に即して教育課程を編成するための基礎的な理解を目指す。 学習指導要領の歴史的変遷と特徴を概観し、その背景にあった理念や特色を理解するとともに、新しい学習指導要領の目標・内容について、小・中・高等学校、特別支援学校を対象に、教科横断・系統的に分析し、教育内容の系統性、児童生徒の発達段階との関係から考察を深める。 地域・学校・児童生徒に即して教育課程を編成する意義と在り方について理解を深め、学習指導要領に基づく学校の教育課程編成の課題を理解し、探究する。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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<A類学生> ・学習指導要領の変遷とその特色、改訂の趣旨や基本方針、各教科目標・内容、各校種間の系統性、国や都の教育改革の動向、教育課程編成の課題を理解・明確化することができる。 ・学習指導要領と学校における教育課程の編成との関係を理解することができる。 <B1類学生> ・学習指導要領の変遷とその特色、改訂の趣旨や基本方針、各教科の目標・内容、各校種間の系統性、国や都の教育改革の動向を理解・明確化し、校内の教員に対して説明や指導・助言をすることができる。 ・激動する社会における教育課程編成の課題を究明・理解し、プレゼンテーションすると共に、カリキュラムコーディネーターとして、校内の教員を指導・助言することができる。 <B2類学生> ・学習指導要領の変遷とその特色、改訂の趣旨や基本方針、各教科目標・内容、各校種間の系統性、国や都の教育改革の動向を踏まえて、地域や学校の教員に対して説明や指導・助言をすることができる。 ・激動する社会における教育課程編成の課題を究明・理解し、専門的な立場から、地域や学校の教員に対して指導・助言・共同研究していくことができる。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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毎時間の感想、レポート、調査したことの発表・討論への参加などによって評価する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考書 『幼・小・中・高校・特別支援学校の学習指導要領(総則・および各教科・道徳) 平成10年版・20年版』 田中耕治編『よくわかる教育課程』 ミネルヴァ書房 2010年 奥田真丈編『教科教育百年史』 建帛社 1985年 日本カリキュラム学会編『現代カリキュラム事典』 ぎょうせい 2005年 など
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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・各グループの演習の準備 ・ポートフォリオの作成
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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・実習で授業を欠席する際は、「実習日誌」などを代替えとして提出すること。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 我が国における教育課程編成に係わる法規と組織 憲法・教育基本法・学校教育法などの教育法規と組織(制度)の視点から、学習指導要領の編成・基準性、教科書の検定・採択、学校・学級における教育課程の編成の仕組みと課題を理解する。 ※B類学生は、理解したものを図式化などしてプレゼンテーションする。(第2回も同様) 【第2回】 我が国における教育課程編成の歴史的概観 明治初年の学制改革から今日まで、学則・学習指導要領に規定された教科の編成と時間配当から我が国の教育課程編成の変遷の概観を理解し、整理する。 【第3回】 教育課程編成に関する追究の視点と共同研究のグループ編成 教育課程編成に関する問題点と追究する視点を整理し、共同研究のグループ分けを行う。 (以下の内容は、グループ編成により若干変更することがある。) 【第4回】 教育課程編成に関するグループごとの研究・討議 各自資料を持ち寄って追究の視点を明確にしてグループ発表の計画を立てる。 【第5回】 昭和22・26年版学習指導要領の学力観と教育課程編成の特色 学習指導要領の基本方針・教育課程編成の特色、その背景と教育上の課題の発表・討論をもとに理解を深める。 ※A類学生は主として前者、B類学生は後者の究明・理解に力点を置く。(第6、7回も同様 ) 【第6回】 昭和30・33・43年版学習指導要領の学力観と教育課程編成の特色 学習指導要領の基本方針・教育課程編成の特色を理解するとともに、その背景と教育上の課題についての発表・討論をもとに理解を深める。 【第7回】 昭和52年、平成元・10年版学習指導要領の学力観と教育課程編成の特色 学習指導要領の基本方針・教育課程編成の特色、その背景と教育上の課題を発表・討論をもとに理解を深める。 【第8回】 教育課程の編成における「ゆとり」の意義と問題点 教育における「ゆとり」とは何か、その意義と問題は何かを具体的に究明・理解する。 ※A類学生は主として、中央教育審議会の答申、学習指導要領・解説などをもとにして、B1類学生は、教育現場の視点から、B2類学生は、「ゆとり教育」を戦後初期の教育とも比較しながら、「ゆとり教育」の意義と課題を整理し、「ゆとり」を活かしていく教育の在り方について究明する。 【第9回】 平成20年版学習指導要領の学力観と教育課程編成の特色 小・中・高・特別支援学校の学習指導要領の基本方針・教育課程編成の特色、その背景と教育上の課題についての発表・討論をもとに理解を深める。 ※B1類学生は、A類学生の究明にアドバイスをし、B2類学生は、究明した内容全体を整理しプレゼンテーションできるように指導助言していき、理解を深める。(第10、11、12回も同様) 【第10回】 平成20年版学習指導要領の目標・内容の系統性の考察 教科・領域から特定の事項を選び、それらが学年進行によって系統的に編成されている視点から新学習指導要領の構造を理解する。 【第11回】 平成20年版学習指導要領の目標・内容の教科横断的考察 特定の学年における特定の教科・領域の教育内容を選び、他教科・領域の目標・内容との横の関係性から新学習指導要領の構造を理解する。 【第12回】 平成20年版学習指導要領における総合的活動の考察 「総合的学び」は何か、どの様な意義があるか、教科外の活動の意義は何かなど、教科の枠にとらわれない学びの意義と在り方を教育課程編成の視点から考察・理解する。 【第13回】 教育課程編成の課題と教育課程改革の動向 研究開発校や外国の教育課程編成に関わる改革の動向を理解する。 【第14回】 地方自治体の教育課程編成に関わる施策・改革の動向 東京・神奈川などにおける教育委員会の教育課程編成に関わる施策・改革の動向を理解する。 ※B類学生が調査・報告し、それに基づいて協議する。 【第15回】 まとめ 学習指導要領と学校における教育課程編成の関係を理解するとともに、協議を通じて、その課題を明らかにする。 ・A類学生は、学校における教育課程と学習指導要領の関係、課題を整理する。 ・B1類学生は、教育課程編成を担当する学校のリーダーとして、改善策を踏まえつつ課題を分かりやすく説明する。 ・B2類学生は、教育課程編成を担当する教員や学校に対して指導助言する立場から、課題を総括的に指摘し、改善の方向性を示す。
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