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授業の内容(Course Description) |
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歴史学の手法を用いて、美術作品の中に政治思想を読み解いていく。 歴史上の重要な美術作品は、単なる個人的な趣味で作られたのではない。とりわけ近代以前の作品は、国王・皇帝・貴族といった権力者によって注文されたのであり、そこには権力の政治的意志が表現されている。これを読み解くには、美術史よりもむしろ歴史学の研究に拠らねばならない。 今日の歴史学は、文字史料だけでなく、美術をはじめとする図像をも重要な研究対象としている。私の専門である古代史について、その一端を明らかにしたい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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第1に、図像を自分の眼で見て作品記述ができること。 第2に、そこに込められた政治的意図を歴史学的な観点から理解して表現できること。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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出席点30%、中間試験30%、期末試験40%
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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毎回プリントを配布する。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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各回の授業で指示する。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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毎回、作品記述にかんする課題を出し、その提出をもって出席点とする。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 序論:歴史学における図像史料の意義 【第2回】 パルテノン神殿(1)メトープとペルシア戦争の表象 【第3回】 パルテノン神殿(2)フリーズとパンアテナイア祭 【第4回】 パルテノン神殿(3)ジェンダー論で読み解くアテナ女神の意義 【第5回】 アレクサンドロス大王の図像(1)彫像と貨幣 【第6回】 アレクサンドロス大王の図像(2)石棺 【第7回】 アレクサンドロス大王の図像(3)モザイク 【第8回】 前半のまとめと中間試験 【第9回】 カエサルとフォロ・ロマーノ 【第10回】 アウグストゥスの平和の祭壇 【第11回】 フラウィウス朝とコロッセウム 【第12回】 五賢帝の記念柱 【第13回】 コンスタンティヌス帝の凱旋門 【第14回】 ビザンツ帝国の大聖堂 【第15回】 後半のまとめと期末試験
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