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授業の内容(Course Description) |
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この講義では、十九世紀初頭から二十世紀初頭ごろまでの約100年間の東アジアの国際関係史を、日本を中心にしつつ、英国、ロシア、米国、中国、朝鮮など、関係諸国の内外政と関連させて概観する。この時代における欧米列強や東アジア三国(日本、韓国、中国)の動向、また日本の指導的人物の主張や動きなどを時代順におうことで、20世紀初頭の日韓併合を画期的な事件とする東アジアを舞台とした国際関係史の概要を明らかにする。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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昨今の領土問題をとってみても、近代東アジアの国際関係史について、正確で客観的な知識をもつ必要は明らかである。それなしには、諸外国と実のある議論や対話をかわすことができないし、長い目でみて隣国と友好的な関係を作ることも難しい。この授業では、この時代と地域に関する体系的な知識をもつことで、自分の置かれた歴史的位置を理解し、また関係各国の人々と生産的な議論をするのに必要な共通の基盤をつちかうことをめざす。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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定期試験(80%)。期末試験の欠席者は0点の評価となるので注意すること。 平常点(20%)。毎回の講義の出欠状況を平常点の評価に反映させる。遅刻の常習者は減点する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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三谷博・並木頼寿・月脚達彦編『大人のための近現代史19世紀編』(東京大学出版会)を準教科書とする。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業のおりに、上記の準教科書の該当個所以外に、各回の講義内容と密接に関連する研究書の章や節、雑誌論文などを指示するので、予習復習をする際に必ず参照すること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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・私語しないこと。質問の機会を与えるので、講義で分からないことは、遠慮なく質問すること。 ・授業中に音楽を聴きながら小説を読んでいるような者がいるが、こうした態度は成績評価に反映させる。 ・週に一度講義を聴いてノートをとるだけでは、十分な理解に達することは難しい。知識を身につけるため予習復習を欠かさないようにして欲しい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義の趣旨説明 【第2回】 近代西洋国家体系 【第3回】 華夷秩序と冊封体制 【第4回】 日本型華夷秩序 【第5回】 ロシアの東方進出 【第6回】 イギリスの東アジア進出 【第7回】 アメリカの太平洋進出 【第8回】 日本の対外的危機認識と開国(Ⅰ) 【第9回】 日本の対外的危機認識と開国(Ⅱ) 【第10回】 日朝国交問題(「征韓論」の背景) 【第11回】 琉球の帰属問題(清国との紛議) 【第12回】 朝鮮をめぐる日清間の覇権争い 【第13回】 福沢諭吉「脱亜論」の問題 【第14回】 日清戦争の意義 【第15回】 日露戦争と日韓併合
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