1. |
授業の内容(Course Description) |
|
心理学はヒトの心の働きを客観的なデータに基づいて解明しようとする学問である。しかしヒトの心は長さや重さのように簡単に測定することはできない。そのため実験心理学では、ヒトの心を測るために様々な工夫をこらした手法が用いられてきた。この授業では、主に基礎心理学の分野において用いられる実験計画法、実験研究法について実践的に学ぶことを目的とする。測定対象に応じた実験計画の立て方、混交要因の統制、パーソナルコンピュータを用いた実験刺激の作成や、実験プログラムの作成、さらに研究における倫理問題などについて基本的な事項を広く取り上げる。また、収集データの解析、解釈の仕方についても実際のデータを用いて解説する予定である。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
実験心理学の研究手法についての理解を深め、自分自身で心理学実験を計画、実施するための基本的な知識と技術を身につけることを目標とする。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
出席状況と課題提出状況によって評価する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
『フリーソフト「R」ではじめる 心理学統計入門』、実吉綾子、技術評論社
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
授業で学んだ内容を自らの手で何度も確認する事が、技術修得のためには重要である。復習のために、自宅でも利用できるソフトなどを紹介する予定である。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
実験者となって実験を実施するには、自らが主体的に動かなければ始まらない。この授業は、受動的に何かを教わるのではなく、積極的に実験技術を習得しようという気持ちで出席することが重要である。特別にコンピュータの知識が必要ではないが、苦手意識を持たずに素直に取り組んでもらいたい。なお3年次の特殊実験演習において基礎心理学コースを希望するものは必ず受講すること。実験心理学研究法 IIはこの授業の続きとなる。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 オリエンテーション:心理学における実験とは何か 【第2回】 心理学実験の概要について 【第3回】 実験計画書の作成:テーマ決定から実験デザイン決定まで 【第4回】 実験計画書の作成:混交要因の統制について 【第5回】 実験計画書の作成:実験手続きについて 【第6回】 実験刺激の作り方 【第7回】 実験プログラムの作り方(1) 【第8回】 実験プログラムの作り方(2) 【第9回】 実験プログラムの作り方(3) 【第10回】 データ分析について(1) 【第11回】 データ分析について(2) 【第12回】 データの解釈と考察について 【第13回】 研究報告書の書き方について 【第14回】 プレゼンテーションソフトによる研究報告について 【第15回】 全体のまとめ
|