Web Syllabus(講義概要)

平成25年度

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日本文化講読(古典文学A) II 木村 康平
選択  2単位
【日本文化】 13-2-2110-0181-08

1. 授業の内容(Course Description)
 万葉集を読みます。
 万葉集は年代の判明するところでは、およそ舒明朝(629~641)から淳仁朝の天平宝字3年(759)までの約130年間の歌を集めた、我が国に現存する最古の和歌集です(若干の漢詩文を含む)。この間には大化改新・壬申の乱・大宝律令の制定・奈良遷都・大仏開眼など、さまざまな歴史的事件が相次いで起こりました。万葉集には、そうした時代を背景として生みなされた人々の哀歓が歌い込められています。また、それらの歌を読むことによって、当時の人々の暮らしぶりや文化をうかがい知ることができます。
 古文はどうも苦手だという人にも分かりやすい授業を心がけたいと思います。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 万葉集の基礎について学ぶとともに、古代の人々の思想や信仰などについての知識の修得を目標とする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末試験(40%)と、出席状況を含む平常点(60%・平常点には授業中に2回程度行う小レポートの評価も含める)をあわせて評価します。出席を重視します。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:プリントを用意します。
 参考文献:『柿本人麻呂』(稲岡耕二、集英社)、『柿本人麻呂《全》』(橋本達雄編、笠間書院)、『セミナー万葉集の歌人と作品』全巻(和泉書院)、『萬葉集全注』(有斐閣)など
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 ・配布するプリントを授業のあとでよく読みかえすこと。
 ・授業時に紹介する参考文献に折々に目をとおすこと。
 ・自ら疑問を立てて、それについて考えること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 出席することがたいせつです。試験だけでは単位を取得できません。また、遅刻をしないこと。授業のマナーを守ること。授業時のケータイの使用は認めません。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 万葉集概説・柿本人麻呂登場(日本国の成立と和歌の関係)
【第2回】
 柿本人麻呂①(和歌の新しい流れ)
【第3回】
 柿本人麻呂②(新しい暦法と時間観念―時間の構造化)
【第4回】
 柿本人麻呂③(王権の讃美と悲傷)
【第5回】
 柿本人麻呂④(妻との生別の極限をうたうこと)
【第6回】
 柿本人麻呂⑤(妻の死を歌うことの新しさ)
【第7回】
 高市黒人(旅の詩人―都市の成立と地方の発見)
【第8回】
 山部赤人(聖武天皇の登場と宮廷歌人)
【第9回】
 大伴旅人(空虚な世界の認識)
【第10回】
 山上憶良①(愛する苦しみをうたう)
【第11回】
 山上憶良②(苦の世界を生きる意味は何か)
【第12回】
 山上憶良③(子を喪う悲しみ―不条理なこの世界)
【第13回】
 大伴家持①(名門貴族と女性たちの華やぎ)
【第14回】
 大伴家持②(孤独の発見)
【第15回】
 まとめ