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授業の内容(Course Description) |
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世界経済危機は、パートIが大規模な政策と新興国の成長で一段落した後、ユーロ圏財政破綻の危機とアメリカ「財政の崖」問題で、パートIIに移った。この危機を生きのびるためには、なぜ危機に陥ったのか、どうすれば脱出できるのか、危機を繰り返さないためにはどうすればよいのか、各人が考えを深める必要がある。 マクロ経済学は、このような世界経済、日本経済を全体としてとらえ理解するために必要な概念、統計、理論を提示する。この授業では、世界経済、日本経済の危機の現状について最新のデータを見ながら、それを理解し分析するために必要最小限な知識を身につける内容としていく。 具体的には、GDP統計の基礎を固めた後、マクロの経済循環のチャートにより、モノの流れとしての投入−生産−支出−分配構造、カネの流れとしての貯蓄−投資構造をしっかりと頭に叩き込む。これによりマクロ理論の基礎にミクロ理論があることが分かる。マクロ経済の流れを時間的にとらえると、経済動学になる。すべてが予定調和的に動けば経済成長になるが、国全体として将来見通しを誤るとバブル発生・崩壊・長期低迷になることを確認する。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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世界経済、日本経済の危機について関心を持つようになること。 マクロの経済循環をモノの流れ、カネの流れの両面からとらえられるようになること。 さらに時間的な流れとしてとらえ、経済成長とバブル発生・崩壊・長期低迷の両面があることを知ること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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期末テスト100%。テストは、授業をまじめに受け、家で勉強し、最低限の知識(MR)を身につけたか(70%)、自分で考える力(自分流)を身につけたかどうか(30%)をみる。 欠席・遅刻・早退、教室にいても授業不参加・ケータイ・マンガ・ゲーム・寝る・喋る・立ち歩く・飲み食いするでは、解けないように作問してある。 出席管理システムの情報は、テストの総合判断に反映させている。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:グレゴリー・マンキュー『マクロ経済学I、入門編』第3版 東洋経済新報社、2011年
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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経済がどう動いているか、新聞、テレビ、ネットなどで毎日フォローする習慣をつけること。 教科書、参考書で授業に先行してテーマに親しんでおくこと。 授業後、プリントを材料にして、考え方の流れを振り返り、不明な点を詰めること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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新聞、テレビ、ネットの経済報道をフォローした上で、自分で解説できるようになって欲しい。それが就職活動に必要な一般常識につながる。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 第1章 世界経済危機の現状 1.ユーロ財政破綻の危機で世界経済危機はパートIIへ 【第2回】 2.世界経済危機パートIからパートIIに至るメカニズム 【第3回】 3.日本経済「失われた20年」と米欧の日本化 【第4回】 第2章 日常生活の背後にある経済学 1.時間制約、予算制約、2.生産関数 【第5回】 3.生産可能性曲線、4.無差別曲線、5.費用関数 【第6回】 6.限界便益、限界費用、7.需要と供給の均衡、8.消費者余剰、生産者余剰 【第7回】 第3章 マクロ経済のデータ 1.GDPと経済循環、3面等価 【第8回】 2.GDPのさまざまな概念 ①付加価値、②名目と実質、③GDPとGNP、④需要項目の構成 【第9回】 3.デフレ・インフレの統計、状況 4.失業・雇用の統計、状況、大学卒業者の就職状況 【第10回】 第4章 マクロ経済の循環と市場均衡 1.市場と経済循環 2.閉鎖経済、完全雇用の場合の市場均衡 ①モノの流れ(財市場の均衡) 【第11回】 ②カネの流れ(貸付市場の均衡) 【第12回】 3.マクロの生産関数 【第13回】 4.生産要素、限界生産性、要素価格 5.国民所得の分配 【第14回】 6.マクロ経済の時間的な流れ ①経済成長のプロセス 【第15回】 ②バブル発生・崩壊・長期低迷のプロセス
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