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授業目標 |
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材料科学の重要な専門用語の意味が分かるようになり、材料科学の基礎的な概念が理解できるようになることが学習目標です。機械設計者のように材料を選択し、利用する仕事に就く人の場合は、材料の専門家の言うことが理解できるようになります。また、新しい材料の開発にかかわる仕事に就く人の場合は、材料科学の基礎を広く、浅く把握することができ、材料科学の各論に進みやすくなります。
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2. |
授業概要 |
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材料科学は超高層ビルから自動車、航空機、ロケット、人工衛星、さらには携帯電話、LSIまで関係した幅広い分野を扱います。物質が気体、液体、固体へと相変態することは、すべてに共通している現象です。物質の共通性と特異性を理解することによって、材料科学は発展してきました。材料科学を理解すには、結晶の話と状態図の話を理解することが重要です。原子の電子構造を理解し、共有結合、金属結合、イオン結合について学びます。状態図は熱力学を基礎にして、物質の状態をマップとして表したものです。なぜさまざまな物質が創り出され、利用されいるのか、そのヒントは状態図の利用にあります。さらに、物質は拡散という現象によって移動します。拡散によって物質が移動し、最も安定な形にたどり着きます。このような材料科学の不思議を講義します。
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3. |
準備学習(授業時間外の学習) |
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LMSで講義内容を公開しますから、予習と復習に活用してください。関連する科学技術用語については、事前に調べておいてください。LMSに小テストを出題しますので、期限内に解答してください。
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4. |
授業計画 |
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固体の構造から出発し、材料学で必要な状態図について理解します。 【第 1 回】 材料科学へのイントロダクション 【第 2 回】 固体の構造1:各原子の電子構造、電子配置 【第 3 回】 固体の構造2:イオン結合、共有結合、金属結合の特徴 【第 4 回】 固体の構造3:結晶構造と結晶欠陥について 【第 5 回】 物質の三態(気相、液相、固相)と相律:1成分系の状態図(圧力-温度の図) 【第 6 回】 熱力学概説:熱力学第 一法則と熱力学第 二法則について 【第 7 回】 溶体(A-B二元系):混合の自由エネルギーと理想溶体 【第 8 回】 二元系平衡状態図とてこの法則:全率固溶の状態図と自由エネルギーの関係と組織変化 【第 9 回】 共晶・共析型平衡状態図:共晶型状態図と自由エネルギーの関係と組織変化 【第10回】 包晶型平衡状態図:包晶型状態図の組織変化 【第11回】 Fe-C系平衡状態図:複雑な状態図から読み取れること、実用の鉄鋼材料 【第12回】 固体中の拡散1:拡散とは物質が移動する現象 【第13回】 固体中の拡散2:フィックの第 1法則(濃度の差が拡散の駆動力) 【第14回】 析出と時効:航空機に用いられるジュラルミンについて(平衡状態図と拡散を活用した例) 【第15回】 定期試験とまとめ
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5. |
成績評価の方法、基準 |
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毎回出欠をとり、2/3以上の出席に満たない学生は定期試験の受験資格がありません。定期試験とLMS小テストの提出状況で評価します。
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6. |
使用テキスト及び使用教材 |
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教科書 渡辺義見、三浦博巳、三浦誠司、渡邊千尋 共著 「図でよくわかる機械材料学」 コロナ社
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7. |
その他 |
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LMSによる授業内容の公開します。毎週、チェックをしてください。
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