Web Syllabus(講義概要)

平成25年度

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放射線生物学・RI取扱法(Radiation Biology and Techniques for RI in Biochemistry) 梶谷 正行
3年 後期 専門科目選択 2単位
【バイオ・後】 13-1-0416

1.
授業目標
前半は、放射線とはどういうものか、それを浴びるとどういう影響が出るのか等について講義します。後半は、主に生化学分野における放射性同位元素(ラジオアイソトープ、RI)の利用の仕方と、それによってもたらされた代表的な成果について講義します。また、放射線障害予防のための法律や利用施設(事業場)独自の規程についても解説します。この講義を通して、放射線に関する誤った情報に惑わされず、その利用の有用性と危険性とを冷静に客観的に判断できるようになってほしいと願っています。
2.
授業概要
次に示す内容を学習します。講義だけでなく、教育訓練用ビデオなどの映像教材も活用します。
(1)放射線と放射能、 (2)放射線利用機器、 (3)人体への影響、
(4)安全取扱の基礎、 (5)生化学におけるRIの利用、 (6)放射線障害の予防。
3.
準備学習(授業時間外の学習)
(1)教科書を指定しています。予習・復習にも活用してください。なお、授業中に触れないページもありますが、教科書全域を試験範囲とします。
(2)開講期間中、「身のまわりの放射線」と題したレポートを課します。各自で調査の上、まとめてください。要項は、授業中にアナウンスします。
4.
授業計画
【第1回】序論
【第2回】基礎知識(RIとは何か、放射線の種類と違い、半減期と比活性等)その1
【第3回】基礎知識 その2
【第4回】基礎知識 その3
【第5回】放射線の人体に与える影響 その1
【第6回】放射線の人体に与える影響 その2
【第7回】放射性同位元素(RI)の安全取扱(一般的な安全教育も含む)その1
【第8回】放射性同位元素の安全取扱 その2
【第9回】放射性同位元素の安全取扱 その3
【第10回】生化学分野でのRI利用例 その1
【第11回】生化学分野でのRI利用例 その2
【第12回】生化学分野でのRI利用例 その3
【第13回】放射線障害の予防
【第14回】理工学部RI実験施設の実際と運営
【第15回】まとめと定期試験
5.
成績評価の方法、基準
(1)ミニレポートを課し、その作成を通して放射線に対する理解を深めてもらいます。この課題レポート(2回を予定)の提出を、期末試験の受験資格判定のための必要条件とします。
(2)最終成績は、期末試験の結果を中心に、課題レポートの成績も加味して総合的に評価します。その配分比ですが、試験成績を約2/3、レポート点を約1/3と予定しています。なお、「7.その他」の(4)項に記したように、当科目は法定講習も兼ねていますので、評価も通常の科目よりきびしいものとなりますこと、予め知らせておきます。
(3)再試験は実施しません。追試験は必要に応じて実施します。
6.
使用テキスト及び使用教材
教科書:日本アイソトープ協会(編)「放射線のABC(改訂版)」丸善
参考書:日本アイソトープ協会(編)「やさしい放射線とアイソトープ(第4版)」丸善
    日本アイソトープ協会(編)「放射線・アイソトープを取扱う前に-教育訓練テキスト-」丸善
その他:日本アイソトープ協会監修の各種教育訓練用ビデオほか
7.
その他
(1)毎回、講義内容のポイントのメモおよび主要な図表を掲載した独自のプリント教材も配布し、教科書とプリントを元に講義を進めます。プリントを配布した分、講義中の板書事項は少なくなります。
(2)日本アイソトープ協会(編)の教育訓練用ビデオも利用します。
(3)初回の授業で、より詳しい授業計画や履修上の注意点等を説明します。履修希望者は必ず出席し、その際に配布するガイダンス資料を受け取ってください。
(4)本科目は、当理工学部でRI実験を行なう前に受講しなければならない法定講習を兼ねています。
(5)教職課程履修者諸君へ;中学校理科で放射線の単元が復活し、小学校や高等学校でも放射線教育を取り上げる機会が増えています。教員を目指す諸君は、(必修指定科目ではありませんが)将来のために当科目を受講することを強く勧めます。